シリーズ・沖縄の基地を視る(205)

キャンプシュワブのヘリポート




キャンプシュワブの演習場に舗装されたヘリポートが。隣は国立沖縄工業高専のキャンパス

10月18日朝、那覇空港にアプローチするANA機の眼下にキャンプシュワブが見えた。大浦湾には新基地建設に抗議する人々を遮っているフロートの一部も見えた。

シュワブの新ゲートの前で抗議行動を続ける人たちの白いテントの山側に、Hの白い文字が2つ見える。これまで土を均しただけの場所が舗装されて、白線でHの文字を囲っている。
本格的なヘリポートが新設されていた。

普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価書(沖縄防衛局、2011年12月)第2章、対象事業の目的及び内容の中の新基地のV字滑走路の飛行経路図にこの新ヘリポートを加えて みた。

V字滑走路の運用が始まる前なら、海側からシュワブの建物群を越えて新ヘリポートにアプローチすることも可能だし、いままでは半分くらいはそのルートで土がむき出しの場所に CH53やオスプレイが着陸していた。
しかし新基地が稼働を始めれば、ヘリポートへのアプローチやタッチアンドゴーの経路は、新滑走路と並行のルートに限られる。辺野古や豊原の集落の上を回転翼機やヘリモードの オスプレイが通過する。

2011年末の環境影響評価書には記載されたいない新たな騒音とそして危険性の増大だ。
それだけではない。滑走路の北側にヘリポートを作り、そこでヘリなどが繰り返し旋回飛行を行えば、新基地の回転翼の有視界飛行経路は北側にもできることになる。

普天間基地の現行飛行経路を見るまでもなく、回転翼機の場周経路と固定翼機の場周経路は滑走路を挟んで分けるのが当たり前だ。全部海側に設定した辺野古新基地の飛行経路の不自然 さを、北側のヘリポートの使用を機になし崩し的に修正しようとするものだ。

(RIMPEACE編集部)(2015.10.18 撮影)


ヘリポート(赤いH)を国の新基地飛行経路図と重ねる


上空からのキャンプシュワブ新基地建設予定地全般


2015-10-19|HOME|