シリーズ・沖縄の基地を視る(39)

嘉手納のF15、週3回もエマージェンシー


着陸したF15にかけより、機体をチェックするレスキュー要員(06.3.14 撮影)


着陸後に不具合が生じたのか、緊急車両が滑走路の両脇をすっ飛んで来た(06.3.17 撮影)

3月14日〜17日の短い期間に、F15のトラブルで緊急車両が態勢を取ったのを3回も目撃した。
14日15時半前、緊急車両が赤色灯を点滅して待機しているところに、着陸したばかりのF15が停止し、白い防護服姿のレスキュー要員が機体にかけよった。
牽引車も用意されていたが、点検後当該機は自走して戻って行った。計器の誤表示だった可能性が強い。

それからあまり時を置かずに、また緊急車両が出動態勢に入った。1機のF15が滑走路上をローパスした直後に、また赤色灯を点滅して緊急車両が配置についた。
このときは、当該機がローパスを繰り返したあと緊急車両がステーションに戻って行ったから、緊急態勢は解除されたのだろう。着陸装置関係の表示トラブルがあったのではないか。

17日の正午前には、着陸後にトラブルが生じたようで、当該F15がデアーミングエリアに入ったあとで、緊急車両が追いついた。これも計器の誤表示の可能性が高く、自走で戻って行った。

何度も計器に表示ミスが起きること自体、ゆゆしきことだ。それだけ、今嘉手納にいるF15が老朽化しているということだ。
米空軍は対応策として、昨年12月から比較的新しい機体を米本土のラングレー基地から持ってきて、嘉手納のF15と交代させることにした。

比較的新しいと言っても、これまでに飛来した機体番号は83年ころの製造機であることを示している。製造後20年を過ぎた機体に換えることでは、老朽化にともなうトラブルの多発や大事故を防ぐ決め手にはならない。
たまたま17日にラングレー基地から2機のF15が飛来してきた。12月から数えて、6、7機目の交代機になる。これでは、全部交代するまでには2年はかかるというペースだ。

中間報告で言うところの、嘉手納のF15の訓練一部移転は、大事故の危険性の拡散でもある。

(RIMPEACE編集部)


増槽3本の長旅姿で嘉手納にやってきた「交代要員」のF15C,D各1機


ウロウロしたあと、やっとデアーミングの場所にたどりついたラングレーのF15。テールコードが消されている(06.3.17 撮影)


'2006-3-21|HOME|