シリーズ・沖縄の基地を視る(42)

繰り返される嘉手納F15戦闘機の緊急着陸



右エンジンを停止させて緊急着陸したF15。エンジン排気口の形状が左右で違う。排気も左側からだけ。(2006.5.18 撮影)

5月18日、沖縄平和センター主催の集会が、嘉手納基地を見下ろす「安保の見える丘」で行われた。06年1月17日の墜落事故、5月2日の滑走路逸脱事故など嘉手納のF15戦闘機の事故が多発していることに抗議する集会だった。

この日、集会終了後に2件、F15戦闘機の緊急着陸があった。
1件は油圧系統のトラブルと見られる。2機が滑走路上空をローパスしたあと、そのうちの1機が着陸、緊急車両が滑走路のエンドに向けて走った。

もう一件は片方のエンジン停止で、左側のエンジンだけで降りてきた。やはり緊急車両がエンドに走った。
2件とも緊急着陸後の処理は、道の駅の展望台からは見えないところで行われた。

米軍は「予防着陸」といい、危険な状況ではないとよく言う。しかし、何を「予防」するのかといえば、墜落にいたる危険な事故を予防するのだ。どんないい方をしようが、緊急着陸が大事故1歩手前の事態である事に変わりはない。
緊急着陸などの異常事態に対する処理が不十分なままに終われば、嘉手納のF15は再び大事故を起こす可能性は大きい。

(RIMPEACE編集部)


フェンス1枚で嘉手納基地に隣接する「安保の見える丘」で行われたF15事故多発に抗議する集会(06.5.18 撮影)


'2006-5-25|HOME|