シリーズ・沖縄の基地を視る(43)

ホワイトビーチから東南アジアに向かう米艦隊



次々にホワイトビーチを出港する米艦。駆逐艦ホッパー(上)と沿岸警備隊カッター・シャーマン(下)(2006.5.20 撮影)

5月17日から18日にかけて、珍しい艦船がホワイトビーチに集まってきた。佐世保に配備されてはじめてやって来た揚陸艦トートゥガのほか、パールハーバーを母港とする駆逐艦ホッパーとフリゲイト・クロメリン、それに沿岸警備隊のカッター・シャーマンまでやってきた。

この4隻はホワイトビーチの海軍埠頭と陸軍埠頭に分散して停泊していたが、5月20日午前中に次々と出港していった。行き先は南シナ海で、救難艦サルボアと貨物船(事前集積艦)ウィリアム・バトンと合流して「海の対テロ協働訓練」を行った。SEACAT(Southeast Asia Cooperation Against Terrorism)と称するこの演習では、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの海軍の連絡将校がトートゥガの情報センターに詰めている。(NAVY newsstand)
この訓練のあとに上記の国の海軍と米海軍とで順番に行われるCARAT演習の、事前合同版みたいなものだ。ホワイトビーチから出撃した4隻は、そのままCARAT演習に加わるとのことで、既にシンガポール・フェーズが始まっている。

ホワイトビーチは、沖縄海兵隊を佐世保から来る揚陸艦に乗せる基地だ。このメーンの機能のほかにも、今回のように米艦隊が東南アジアに向かうときの集結基地ともなる。
台湾海峡にも近いこの基地の機能は、黙っていればますます拡大されていく可能性が高い。

(RIMPEACE編集部)



フリゲイト・クロメリン(上)と揚陸艦トートゥガ(下) 中城湾を出ていったん東に向かい、続いて南に向かった。(2006.5.20 撮影)


'2006-6-4|HOME|