シリーズ・沖縄の基地を視る(49)

ゴムボートによる訓練、ホワイトビーチが拠点に


砂浜に置かれたボートの横で、米兵が出発の準備をしている


4隻のゴムボートが一列になって、やや波の高い海上を東に向かって疾走していった(06.9.13 撮影)

ホワイトビーチといえば、エメラルド色の海に無粋な2本の桟橋が突き出す港湾施設、というのが大方の印象だ。しかしビーチの名の通り、これまた美しい白い砂浜が、上陸訓練やゴムボートによる出撃訓練の演習地としても使用される。

9月13日朝、ホワイトビーチの2本の桟橋の中間の砂浜から、黒い大型ゴムボート4隻が沖に向けて走り出し、一列になって東に向かい、島影に消えた。1隻に2人ずつ乗っていたのは米兵だった。
しばらく待ってみたが戻ってこなかったから、金武湾に入りキャンプ・コートニーなど沿岸の訓練水域に向かったと思われる。

ちょうどこの日を含む4日間、米海兵隊が小型船舶による海上移動訓練を行うと通告していた。移動訓練の出発地はホワイトビーチで、キャンプ・コートニー、レッドビーチ、キャンプシュワブ、北部訓練場水域などを回ってホワイトビーチに帰ってくる。約20隻の大型ゴムボートを使用するとのことだ。(13日、14日付、琉球新報より)
出発地や演習期間、そして使用器材などからみて、目撃した4隻のゴムボートの動きが、この海上移動訓練の一部であった可能性が強い。4隻で1チームを組み、5組が時間差をつけて沖縄中北部海域を走りまわっていたのではないだろうか。

翌14日、浜辺の小屋にはウェットスーツがかかり、草地には黄色やオレンジ色のボートが3隻並んでいた。小屋を挟んだ反対側には自衛隊のトラックや器材が置かれていた。
台風13号の接近により、海上が荒れていたせいもあって、ボートが海に出るシーンは見られなかった。

海兵隊の海上移動訓練はこの日も行われる、という通告内容だったが、海兵隊の姿は見えなかった。
14日に使われたボートは、海兵隊の訓練とは違って明るい色だから、自衛隊が関係する救助訓練だったのかな、とも思う。
ただ、同じ時期に海兵隊が同じ場所から移動訓練を行うと通告していたことを考えると、自衛隊と海兵隊の共同の訓練をするつもりではなかったのか、などと気になるところではある。

(RIMPEACE編集部)


草地に置かれたボートの中で待機する自衛隊員らしき人たち


ウェットスーツなどがつるされている浜辺の小屋。


自衛隊の車両やテントがホワイトビーチの浜に並んでいた(06.9.14 撮影)


'2006-9-26|HOME|