シリーズ・沖縄の基地を視る(73)

嘉手納基地のF15、激しい訓練を繰り返す 


燃料輸送車と消防車がひしめくホット・ピット。実戦に即した給油訓練だ(07.7.10 撮影) 


2機が同時に離陸する編隊離陸が繰り返された(07.7.11 撮影)


アフターバーナーの炎を曳いて離陸するF15。爆音が倍加する(07.7.9 撮影)

三沢基地でのF15の訓練が行われたが、この訓練移転を前にした7月9日からの週に、嘉手納基地ではF15の激しい 訓練が繰り返されていた。
ホット・ピットがいつもの場所に設定され、2機のF15が同時に給油を受けると、すぐに滑走路のエンドに向かい、再び離陸する。 エンドにはアーミングのチェックを待つF15が列をなした。

9日には嘉手納町の職員がハンディタイプの騒音計で音量を測っていた。単機のF15の離陸直後に「どのくらいの数値が出ていますか?」 とたずねたら、これで89フォンです、という答えが返ってきた。
2本ある滑走路のうち、道の駅から見て手前側の滑走路は工事が終わったばかりで、この日は使われていなかった。89フォンは400 メートルほど奥の滑走路からの離陸の騒音だ。

手前の滑走路からの離陸の場合は100フォンになり、北東向きに離陸する場合(RW/05left)は108フォンをカウントするとの ことだ。遠くの滑走路からの離陸でも、アフターバーナーを点火した場合は、グンとうるささが増す。F15の排気口がオレンジ色になって 飛んでいくのを何度も目にした。

那覇防衛施設局の職員が2人一組で嘉手納基地の離着陸状況を記録していた。三沢への訓練移転前後での実態調査のつもりなのだろう。 台風4号の接近で週半ばであきらめてしまったようだが。
機種判別にいまひとつ自信がないのか、写真つきの機種一覧を携えての調査だった。
ヘリ墜落後に、普天間基地の飛行実態を調査していた那覇防だが、いつの間にかその調査は立ち消えになってしまった。嘉手納基地の 飛行調査も、連日連夜続ければ住民の苦しみがもっと感じられる、と思うのは筆者だけではないだろう。

(RIMPEACE編集部)


編隊を解かずに着陸コースに入る2機のF15(07.7.11 撮影)


編隊着陸する2機のF15 (07.7.10 撮影)


超低空で滑走路上をローパスするF15 (07.7.11 撮影)


'2007-7-22|HOME|