シリーズ・沖縄の基地を視る(21)

米軍P3C対潜哨戒機と嘉手納基地


北部大西洋に面したブランスウィック基地のVP‐10所属のP3C(LD)(05.8.14 撮影)


嘉手納基地に展開中、津波被害救援活動も行ったVP−8のP3C(LC)も、ブランスウィック基地所属だ(05.5.8 撮影)

米国内基地統合計画により、海軍のブランスウィック基地から、現役部隊のP3Cが居なくなる、というAPの記事が、9月7日付けの星条旗新聞に載った。P3C対潜哨戒機37機がフロリダ州ジャクソンビル基地に移るという。いずれ、この37機のうちの相当部分が、太平洋艦隊のエリアに回されると見たほうがいいだろう。嘉手納への飛来状況がそれを予告しているようだ。

定期的に嘉手納に派遣されてくるP3Cは、ハワイや米本国の東海岸・西海岸のから来る。最近まで展開していたVP−8のP3Cは、東海岸のメーン州ブランスウィック基地所属だ。また、8月14日に同基地のVP−10所属機が嘉手納で目撃されている。この部隊の所属機が、VP−8の次に嘉手納に派遣される可能性がある。

米海軍は、潜水艦にかかわる戦力を大西洋から太平洋にシフトしている。一番極端な例が、最近報道された弾道ミサイル原潜のシフトだが、音響測定艦も新型が全部太平洋艦隊のエリアで活動している。P3Cの部隊も、大西洋から太平洋にシフトが進むのだろう。米国内基地統合計画が実施に移される前に、大西洋艦隊のP3Cがゾロゾロ嘉手納に飛来しているのも、海軍の運用の範囲でも太平洋へのシフトが進んでいる証拠だろう。

(RIMPEACE編集部)


2005-9-12|HOME