シリーズ・沖縄の基地を視る(34)

ホワイトビーチ・揚陸艦への車両の積みこみ


155mm榴弾砲と牽引車が、バックで大型揚陸艇LCUに入っていく(1.20 撮影)


ドック型揚陸艦の艦尾に近づくLCU。積載した車両をドックから揚陸艦内に入れる(1.17 撮影)

グアムで行われる都市型戦闘訓練に参加する、沖縄海兵隊31MEUの車両や装備が、ホワイトビーチ基地から揚陸艦に積みこまれる様子を、4日間続けて見た。
基地の大きな駐車場2ヶ所に、軍用車両が6〜70両ずつ並んでいる。これをLCAC(エアクッション型揚陸艇)やLCU(大型揚陸艇)を使って揚陸艦に積みこむ。3隻のLCACが、強襲揚陸艦エセックスに車両を運び、LCU2隻が揚陸艦フォートマッケンリーとジュノーへの輸送を担当していた。

LCACやLCUへの積みこみは、意外にまだるっこしい。横浜ノースドックや那覇軍港で、Ro/Ro船への車両の積みこみをよく見ているせいだろうか、狭い空間にバックで入っていき、何度もやりなおしをしているのは非効率を絵に描いたように感じた。

ただ、Ro/Ro船は港湾設備の整ったところでないと、その威力を発揮できない。海兵隊が重視しているのは、砂浜などの揚陸地点でも車両の積みこみ・積み下ろしが出来る能力だ。
ホワイトビーチでノロノロと揚陸艇に軍用車両を載せているのも「重要な訓練」なのだ。

150両を超える軍用車両は、揚陸艦が接岸する前の夜中にホワイトビーチに運び込まれた、と基地の近くの人が話してくれた。「真夜中に運ぶものだから、うるさくて眠れんよ」とは、その人の話し。

エセックスは20日午前中に、一足先に出港した。19日に入港したジュノーには、榴弾砲が積みこまれた。
グアムで行われる都市型戦闘訓練で、この榴弾砲を使うのだろうか。イラクでもそんなやり方をしているのだろうか。
海兵隊の発表は、この演習は一般的な海兵隊の訓練で、特定の状況に対応したものでは無い、と言っている。しかし、この訓練がイラクへの再度の沖縄海兵隊の展開のための訓練であることは明らかだろう。

(RIMPEACE編集部)


LCAC(エアクッション型揚陸艇)に積みこまれる装輪装甲車


LCACが陸上から水面に出る。すさまじい音と水煙だ


強襲揚陸艦エセックスの艦尾のドックに接近するLCAC(1.17 撮影)


2006-1-22|HOME