続・オスプレイ普天間配備の危険性 その12

実機によるオートローテーション訓練回避は、やはり危険性の証明



機体を壊す恐れがあるから、オートローテーションは実機ではやらないんだと
(2012.9.19 防衛省「MV-22 オスプレイ オートローテーションについて」より)

防衛省が言うとおりに、オスプレイがオートローテーション機能を本当に持っているならば、実機でオートローテーションで安全に降りられることを示すのが一番だ。シミュレータでオートローテ ーションの訓練をしている、とエライさんが何度繰り返しても、ホントは危なくてできないから実機ではやらないんだ、という見方のほうが説得力がある。

このままではヤバイと思ったのか防衛省は、実機でオートローテーションの訓練をしないのは、着陸時に機体を損傷する恐れがあるからだと言い出した。ということは、着陸直前までは問題なく オートローテーションで降りてこられる、ということなのだろう。
それだったら、着陸直前に再度ローターを回して飛び上がるか軟着陸すればいい。実際、民間のヘリの教習でも自衛隊のヘリの訓練でも、オートローテーションの最終段階でフレアをかけて 下降スピードを下げたあと、着地の直前にローターを回してゆっくり降りるか、再度上空に飛んで訓練を繰り返す。下に掲げるように、「自衛隊機のオートローテーション」について「実機を用い た一定の高度での訓練を実施」「一部のシングルエンジン機を除き、実機を用いた接地までの訓練は実施せず」と自分から認めている。
自衛隊のヘリだって着地すれば機体が損傷する可能性があるとわかっているから「接地までの訓練は実施せず」としている。機体が損傷する恐れがあるのはオスプレイ特有の現象ではない。

オートローテーションは、姿勢と速度を制御しながら、狙った場所に降りるために行うものだ。空中で姿勢を制御することが訓練の主眼となり、少々荒っぽくなっても着陸が安全に決まる直前まで 降りてくれば「合格」なのだ。
オスプレイが実機でオートローテーションをしない理由は、「着地時の損傷の恐れ」ではない。それは(訓練時には)再度ローターを回すことでクリアできる。結局オスプレイが実機で訓練しない 理由は、下降時にきわめて危険な状態になるから、ということしかない。

防衛省は岩国で、自治体職員や記者などを乗せた体験飛行を米軍に頼んで実施した。では最後の段階でローターを回すという一般的な手順のもとで、米軍にオートローテーションのデモをやって くれるように頼んだらどうか?
米軍パイロットが実機のオートローテーションで無事着地寸前まで降りてくれば、防衛省のいう「オスプレイにオートローテーション機能がある」ことの根拠となる。逆にに受け入れられなければ、 それはオスプレイのオートローテーションは安全ではない、ということの強力な根拠となる。

(RIMPEACE編集部) 


自衛隊のヘリは着陸直前までのオートローテーションの訓練を実機で行っている(2012.9.19 防衛省 同文書より)


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