ヤマサクラ35開始に向けて

Torii 99.1.8


在日米陸軍兵士はヤマサクラ35に向けて動きだした

メリンダ・ケネディ記者



 合同戦闘作戦の中で日米両軍の部隊や参謀を訓練する、年次合同指揮所訓練ヤマサクラが1月20日に始まる。
 10日間の演習は、日米合同の軍事作戦と相互の結びつきを強めるために設定されている。例年この演習は1月に行われる。場所は自衛隊の5つの方面隊の回り持ちとなっている。
 今年のヤマサクラ35は、朝霞駐屯地の東部方面隊がホストを勤める。
 「米陸軍と陸上自衛隊がとなりあって作戦を遂行する時が来るかもしれない。もしそのような時が来れば、双方とも相手がどんな作戦を立てるかを知り、共同して計画の手順を決めて作戦を実行することは最も重大なことになる」と演習支援計画担当のLBデバルトは言っている。「在日米陸軍と陸幕は演習を主催し、演習実行に必要な全ての調整作業を行う」と指揮所演習部門チーフのロバート・リーブス少佐は語った。「その作業には2つの大きな分野が含まれる。一つは、演習にやって来る兵士に対する支援で、これは第17地域支援群と第35補給支援大隊が提供する。2つ目は、演習のための環境整備だ。それには演習を回していくコンピュータ・シミュレーションを作ったり戦場の光景や音響を作りだすシナリオをつくる仕事も含まれる」
 第35補給支援大隊の支援活動には、演習参加者の出入り、宿舎、食堂、クリーニング、郵便、医療支援などが含まれる。
 17年前から日本で行われているこの演習は、1993年に重大な変化をとげた。「最大の変化は、手動のシミュレーション(初期戦闘)から完全自動シミュレーション(軍団戦闘シミュレーション)に変わったことだ。この切替えによって、交戦中により良い結論が導き出されるし、兵站や傷病人移送の問題が大変強調されるようになった」とデバルトは語った。
 「ヤマサクラ演習で、米軍と陸自の参謀たちは2国間の協同について、すばらしい訓練を受ける。この演習の目的は日本の防衛だ。しかし、それだけではなく、この演習によって、将来起こりうる災害救助やPKOのような日米両国間の契約を強化することも出来る」とリーブスは言った。
 演習参加部隊には、在日米陸軍、陸幕、米第5空軍、空自、海自、陸自東部方面隊、米第1軍団、第310戦域支援コマンドが含まれる。


・RIMPEACE編集部からのコメント
 新ガイドラインとの関連から言えば、ポイントは「93年に陸の合同指揮所演習が軍団レベルのものに拡大された。兵站や傷病人移送の問題が大変強調されるようになった」点だ。米軍は、戦争を本当に継続して遂行できるパートナーに自衛隊を育て、日本を後方支援の拠点とすることを目指して、シミュレーションの対象を拡大した。93年の合同演習は、新ガイドライン制定に道を開くメルクマールだった。
(注)Toriiは、在日米陸軍の公式な基地内紙。キャンプ座間の中で編集され、秋月・川上などの弾薬庫、沖縄のトリイステーションにいるグリーンベレーたちの活動もカバーしている。記事の内容は必ずしも米陸軍の公式見解に一致しているとは限らない。


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