米軍PCB廃棄物、事前集積艦に積み替え米国へ


甲板にPCB廃棄物入りのコンテナを並べて、出港準備態勢のワトソン(4月10日16時)


積みかえ作業中のワトソンと、横浜方面へ引き上げるバージ(4月10日12時15分)

4月9日夜、グリーンコーブに積みこまれていたPCB廃棄物は、船から横浜ノースドックに下ろされた。翌10日早朝、このPCB廃棄物の入ったコンテナは横浜から横須賀沖合いに停泊中の事前集積艦ワトソン(T-AKR 310)に運ばれた。バージにコンテナを積み上げ、ノースドックから海路横須賀沖まで運ばれた可能性が大きい。

10日朝、横須賀港外に停泊した7万トンクラスの事前集積艦ワトソンに、コンテナを積んだバージが横付けされた。事前集積艦に装備されている大型クレーンを使って、コンテナは甲板に引き上げられた。
正午過ぎに、全部のコンテナがワトソンに積みこまれた。バージは曳き船に引かれて、横須賀基地ではなく、横浜方面に戻って行った。このバージは、昨9日夕刻に大黒方面からノースドックにやってきた空のバージと同一のものだと思われる。

PCB入りコンテナをバージの上に積み重ねて、横浜から横須賀まで海路を運ぶのは、海中への転落事故による東京湾の汚染を考えると相当乱暴な措置だ。運搬船の事故によるスケジュールの遅れをカバーするため、という意欲は理解するが、輸送方法については、米軍はもっと安全な方法をとるべきだったと考える。

在日米軍PCB廃棄物の搬出には、4年前の「漂流」に続きなぜかトラブルが伴う。米軍や外務省から自治体を通じて住民へ、という情報の流れが阻害されていると、今回もまた感じざるを得なかった。トラブルが起きたときほど情報公開はすばやく、というのが鉄則だ。改善を強く望みたい。

(金子ときお・相模原市議)


ノースドックを離岸する直前のグリーンコーブ。PCB廃棄物は既に運び出され、埠頭は空だった。(4月10日8時)

(撮影、RIMPEACE編集部)


'2004-4-10|HOME|