さまよえるPCB、相模補給廠に戻る?


PCBの積み荷は動きだした。多分日本に向かう

ロイター、4月8日午前5時1分(現地時間) シアトル発−−合衆国とカナダでの積卸しを止められたPCB含有の廃棄物は、4月7日 に船出した。多分日本に戻されるだろう。
在日米軍基地から排出された112トンの廃棄物を積んだコンテナ船ワンヘ号は、4月7 日夜、次の目的地であるバンクーバーに向けて出港する予定だ。問題の積み荷を積んだま まで。
China Ocean Shipping Co (COSCO) 社は、(PCB廃棄物の入った) コンテナはワンヘ号に積 まれたままで、来週日本に向けて(バンクーバーを)出発する時に一緒に戻る見通しだが 、最終結論は最終荷主である米国防総省の判断待ちだ、と述べた。
PCB入りの廃棄物は、はじめはオンタリオ州の処理施設に運ばれるはずだった。しかし 、カナダが他国の有害廃棄物の捨て場になる、という環境保護団体の抗議に、カナダ当局 はこの廃棄物の持ち込みをストップさせた。
ペンタゴンは、その廃棄物を合衆国内に降ろそうとした。しかしそれは、外国製のPCB の輸入を、例えそれが米国政府機関から出たものでも禁止する米国の法律に抵触した。
がんの原因となるPCBは、電気機器の絶縁体として使われている化合物だ。
米国の環境保護庁は、シアトル港で一時的に保管することに許可を出した。しかし環境保 護団体の要求を受け入れた港湾労働者組合が、荷卸しを拒否した。
環境保護団体はシアトル港でピケを張り、PCBの入ったコンテナ以外の積み荷の荷卸し を注意深く監視した。そして船がバンクーバーに入港した時には、そこで抗議行動を行う と表明した。
「有害廃棄物は船に積んだままで、在日米軍基地に戻されねばならない。この積み荷は、 明らかに最初の出発地で積み込まれるべきではなかった」とグリーンピースは声明の中で 語っている。
国防総省と処理契約業者のTrans-Cycle Industries社は、この積み荷に含まれるPCBの 濃度は大変低く、処分業者が日常的に扱う冷蔵庫などの製品に含まれるものよりも危険度 が少ない、と主張している。
相模補給廠から搬出されたPCB汚染廃棄物の動きの続編。大騒ぎになって、また相模原に戻ってくる可能性が大きい。 4月末にも横浜港・本牧埠頭に陸揚げされるのだろうか。
3月23日に相模補給廠から出されて、その日のうちに横浜から船積みされているから、通関手続きなど 無いに等しかったのだろう。帰ってくるときはどんな態度を日本政府はとるのだろうか。 米軍物資ならどんな有害物資でもノーチェック、というのではあまりにもひどすぎるのは、言うまでもないが・・・。
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