相模補給廠のPCB含有物保管について 米情報公開資料の分析調査結果から

 要旨
  今年3月、相模補給廠に保管されているPCB含有物の一部が、カナダのバンクーバー港に向けて搬出され、その後横浜にUターン、横浜ノースドックに仮保管された後、現在はウエイク島で保管されているという事件があった。
 このPCB含有物の保管、搬出の事実は米情報公開法で事実関係を突き止め、発表してきたが、カナダから横浜にUターンしてきた直後、再度,相模補給廠に保管されているPCBの状況について情報公開請求を行った。
 その結果、本市の問い合わせに対して外務省が発表した6月30日の後、7月7日付けでMICHIGAN州のDRMS、DEFEFFSE ROGISTUCS AGENNCYから送られてきた。

 内容と分析結果

1 公開された文書は、6分冊、その内の、一冊、50ページの文書が昨年12月に発表した、99年7月24日までに搬出する契約だったものと同一の文書だが、この中に、最終ページに手書きで、使用船としてワンヘ としてある。3月の14個のコンテナの中身だ。
 この中で50PPMを越えるものについては、手書きでバツ(×)が書き込んである。この50PPM以上の高濃度のものが、今回積み出せなかったもの。今後どう処分するか課題になっているもののリストだ。リスト全体226アイテムの内160アイテムが搬出日、3−23−00、となっている。14個のコンテナで搬出されたものと思われる。
 残りの66アイテムが、高濃度のものがほとんどで、今回搬出できなかったもの、つまり現在も相模補給廠に保管されているもののリストとなる。

2 現在相模補給廠に保管されているPCB含有物は先に公開された226アイテム、総量で135トン以上、134785Kg から  160アイテム、90トン、89610Kgを引いた
   45トン、45175Kg 以上となる。
 したがって、今回公開されたリスト以外にも、米大使館発表の数字から、かなりの物があると推定される。

3 その他、公開された資料に、グアム・セールという8枚ものが2分冊、これらは、グアムに送られ処分されたもの。相模補給廠の積み込み日は99年の291日と292日、つまり10月18日と19日。この時期、横浜ノースドックにMSCの貨物船マークスコンステレーションが入港、18日に入港し、20日にグアムに向けて出港している。相模補給廠→ノース→グアムというルートでのPCB廃棄物の搬出が港湾管理者の横浜市にも通告なしに行われている事が明らか。 運送業者は『山久』(sankyu)。

4 最近PCB保管倉庫の内、173倉庫のPCB看板が撤去された。調べたところ、
173は今後取り壊しになる予定で、そこに入っていたPCB含有物は、3月に搬出され、空きができた172倉庫に移された模様だ。詳しい事実関係が明らかにされるべきだ。

5 在日米軍基地のPCB全体の処分、新たに廃棄物となるPCB含有物、これらの処分方針を米軍は、キチンと地元自治体に提示すべきだ。
相模補給廠に搬入が予定されているものを直接、米本国に持ち帰り、処分すべきだ。その具体案を提示すべきだ。

6 国内の移動に関して、国内法に則して、特別管理廃棄物の運送許可業者を使い、当該自治体にも届けて、情報を開示すべきだ。

7 相模原市は米軍の情報を独自に入手し、また、国に提供を求め、立ち入り検査などの実行により、PCBその他、有害廃棄物の対策をすすめ、市民の不安を解消すべきだ。

相模原市議 金子ときお


PCBはこのルートで運ばれた(作図 RIMPEACE編集部)

'2000-12-16|HOME|