ベースキャンプセット、今回も新品がやって来た


フォースプロバイダーのコンテナにかかれたモジュール番号。42番と41番というモジュールであることを示している(5.31 撮影)

相模補給廠での再備蓄が進められているベースキャンプセット(フォースプロバイダー)は、一つのモジュールで550人分の兵士のベースキャンプが出来るようになっている。このモジュール・ナンバーが37以上なら、そのセットは当初の米陸軍の予定を超えて作られたものであることがわかる。

2002年9月の段階で、フォースプロバイダーは全部で36モジュール作られる予定だった。そのうち、訓練・試験用として米本土に配置される1モジュール以外の35モジュールが戦域に展開する、というのが当時の米陸軍の計画だった。相模補給廠に6モジュール備蓄されていたフォースプロバイダーも、2002年秋にアフガンに送られた。

今年4月の再搬入の時には、39番というモジュール番号が確認されている。今回は41番、42番というモジュールが搬入されている。コンテナの個数などから見て、前回も今回も2セットが持ってこられたと考えられる。今、相模補給廠に再備蓄されつつあるものは、2002年当時の計画では足りなくなったフォースプロバイダーのセットを、米本国で新たに作って運び込んだものだ。今回の搬入で、それが4モジュールとなった。

「居住環境」が抜群にいいフォースプロバイダーは、米軍兵士の士気の維持には欠かせないものだ。新たに作ったモジュールを、あえてイラクやアフガンなど中東戦域に運ばずに、相模補給廠に持ってきた米軍の意図は何だろうか。

相模補給廠は、在韓米軍基地キャンプ・キャロルとともに、朝鮮半島有事の際に使用する陸軍の軍事物資を保管する基地だ。中東戦域ではなく、あえて相模補給廠にフォースプロバイダーの再備蓄を始めたことは、朝鮮半島で戦争が起きる(起こす)可能性を、米軍が強く意識している現れと言える。

第一軍団司令部のキャンプ座間への移転が、在韓米軍縮小の補完措置である可能性が非常に大きいが、相模補給廠へのフォースプロバイダー再備蓄の動きも、それと同じ方向を向いていると言える。

(RIMPEACE編集部)



横浜ノースドックに並ぶダークグリーンのコンテナや給水車など。
相模補給廠に連日運ばれていて、搬入当時の3分の2程度になっている。(5.31 撮影)


2005-5-31|HOME