基地パッケージの行き先はアラブ首長国連邦の可能性が大
相模補給廠から本牧経由

9月29日にアップしたように、相模補給廠に保管されていた「基地パッケージ」(Force Provider)のコンテナが、29日に横浜港本牧埠頭D突堤のAPL(American President Line)専用バースから船積みされた。
APLのコンテナ船、APLシンガポール(64502t 276m) に積みこまれたが、この船の行き先について、29日の時点で誤解していたので訂正したい。この船は米東海岸のシアトルを起点に太平洋を横断し、横浜、香港などを経由してシンガポールまで行く定期便だ。太平洋を横断し、最大のハブ港シンガポールまでコンテナを運んでいる。帰りは香港からシアトルに直行するルートをとる。


APLのwebページより、左が西行き、右が東行き

シンガポールより先は別のコンテナ船に積み替えて運んでいく。APLシンガポールに接続している船の行き先のなかに、前回あげたカラチのほかに、アラブ首長国連邦(AEU)のSharjah, Dubai, Jebel Ali,カタールのDoha, サウディアラビアの紅海側の街Jeddaなどがあった。 イラクに対する戦争準備をすすめている米軍が、湾岸の「理解国」AEUに基地セットを運び込もうとしている可能性が強いのではないか。


29日に横浜本牧から送られたコンテナがAEU向けだとすれば、いったんシンガポールで積みかえられて10月20日に到着する予定だ。そこからさらに別の船に載せ換えてクウェートまで運ぶ定期ルートも、APLグループは持っている。

シンガポール港がコンテナ輸送のハブになっているが、今回の「基地パッケージ」の輸送については、本牧埠頭も小さなハブになっていたのではないだろうか。29日に本牧D突堤に並んでいた Force Provider のコンテナの中に、白いコンテナが混ざっていた。白いものも一緒に船に積まれていたが、注目されている相模補給廠の「Force Provider」のセットの中には、白いコンテナは目撃されていない。どこか別の基地に保管されていて、今回の搬出に合わせて本牧まで別の船に載せられてやってきて、本牧でマージされたのではないのだろうか。もとの保管先としては、米本国か韓国ということも考えられる。


APL専用バースに並ぶ、白と緑の「基地パッケージ」コンテナ(2002.9.29)


現在も相模補給廠から本牧埠頭に向けて、「基地パッケージ」セットの搬出が進んでいる。近くまたコンテナ船に載せられてどこかに運ばれるはずだ。それが、APLシンガポールと同様に中東方面への輸送とセットになった船便だったら、補給廠のコンテナセットはやはり湾岸に運ばれている、という可能性が大きくなる。ちなみに、その種の船としては、10月6日出港の「APL KOREA」、10月13日出港の「APL PHILIPPINES」などがあげられる。

(RIMPEACE編集部)


'2002-10-01|HOME|