米軍再編の中で相模補給廠に作られる

戦闘指揮訓練センターのアウトライン−10

カンザス州の陸軍基地フォート・ライリーに09年8月にオープンした戦闘指揮訓練センター(BCTC)は、中規模のセンターだ。 このフォート・ライリーのBCTCでの訓練内容の一部として紹介されているのが、兵士やリーダーが受けるバーチャル・コンボイ訓練 だ。
コンボイ訓練の中身は、待ち伏せ攻撃対処(DARWARS Ambush)、武器システムトレーナー(WST)、近接戦闘訓練(CCTT)、多車種対応車両シ ミュレーター(RVS)となっている。
CCTT−RVS装置の開発メーカー、ロッキード・マーチン社の製品案内に載っている写真をみれば、このシミュレーターを使った訓練 が、中東での陸上部隊の戦闘をシミュレートしていることがよくわかる。
イラクやアフガンに向かう兵士が、事前に行う戦闘訓練だ。

このシミュレーターは大規模・中規模のBCTCに配備されているが、将来、小規模のフォート・ベニング、フォート・ノックスにも配備 される予定だ。
相模補給廠に建設中の小規模BCTCに配備されるかどうかは不明だが、BCTCが中東での戦闘そのものをシミュレートする訓練を行う 施設であることははっきりしてきた。

相模補給廠には、新たに訓練支援センターも建設予定だ。ひっくり返ったハンビーからの脱出や、射撃訓練を行う訓練施設だ。中東派遣 の兵士たちに事前に訓練を行う施設だ。

相模補給廠内のBCTC着工式で、在日米陸軍広報室長は陸自との共同使用について語っている。コンボイ訓練や脱出訓練などを陸自が 行うとすれば、それはイラクやアフガンへの治安維持部隊としての派遣を後押しする訓練となる。
米陸軍の実戦部隊がほとんどいない在日米軍の基地に、訓練施設を2つも作って運用するのは、陸自の多くの隊員が中東での戦闘をバー チャルに体験して、海外派遣に備えるという事態を想定している可能性が高い。

(RIMPEACE編集部)


CCTT−RVSを使った訓練。ロッキード・マーチン社の製品案内より


'2009-12-29|HOME|