米軍再編の中で相模補給廠に作られる

戦闘指揮訓練センターのアウトライン−4



2年前、フォート・ポークの戦闘指揮訓練センターのページに出ていた、シミュレーション画面

2006年5月1日に合意 された米軍再編のロードマップの中で、戦闘指揮訓練センター(BCTC)を相模補給廠内に造る、という話しは突然出てきた。BCTC について、初めは単なる研修施設だ、などという説明も流布された。
アウトライン−2でふれたように、米軍再編の動きと期を一にしてBCTCの建設が進められている。陸軍の大掛かりな組織改編による 旅団規模のコンバットチームの創出と、ユニット化が目指しているのは、陸軍のどの部隊でも、世界中の戦場に交代で出かけられる態勢 だ。

組織的には改編が進んだ。軍隊組織をたとえるのに「仏作って魂入れず」というのはふさわしくないだろうが、ある程度受け持 ちの戦域が決まっていたこれまでの部隊を、どこの戦場にでも派遣するには、事前の訓練で「魂を入れる」ことが必要なのだろう。
イラクやアフガンが主戦場となり、正規戦とは異なる戦争が進行しているときに、この新しい戦場で最前線に立つ小グループの 兵士たちの指揮官への実践的な訓練を全部隊で繰り広げて、ディプロイメントに備えるというのがBCTCの大きな目標だろう。

コンピュータシステムにより、ビジュアルな仮想体験が繰り返し可能なこの訓練センターは、まさに戦闘現場に直結したものだ。 米軍に必要な訓練画面を更新しながら行われるセンターでの訓練に、自衛隊が参加したら一体何の訓練をするのか。海外での武力行使、 戦場への派遣を訓練しているとしか考えられないだろう。
李下に冠を正さず。陸上自衛隊は相模補給廠に近寄らないことだ。

(RIMPEACE編集部)


フォート・ポークのページの画面。こちらは空中偵察の画面?


'2008-6-24|HOME|