フォースプロバイダーは何処にどれだけあるか


アフガニスタン・カブールに設営中のフォースプロバイダー


テントの中のキッチン・食堂。完全に電化されている

テント・シティ・キット、ベースキャンプ・セットとも言うべきフォースプロバイダーは、湾岸戦争のときに、米軍兵士が置かれた劣悪な 宿営地環境を改善するために生み出された。エアコンの効いたテントを中心に、生活に必要な設備が全部キットとしてコンテナに組み込まれた ものだ。1モジュールのコンテナ群に格納された装備を戦地で組み立てれば、550人規模の兵士が快適な環境で寝泊りできる小さな町が 出現する。

地上戦闘部隊に引っ張りだこのフォースプロバイダーを、2007年11月の時点で米陸軍は52モジュール持っている。あと4モジュール 要求しているが、予算がついていない状態だ。
52モジュールのうち36モジュールが米中央軍の任務領域にある。つまりイラクとアフガニスタンで実際に使われている。

その他には、事前集積艦に1、相模補給廠に6モジュール備蓄されている。また訓練用に1、回収してセットし直されているのが6、 新規に作成中が2モジュール、となっている。(2007.11.6 ARMY生物化学汚染除去・防護会議のFP報告書より)
すぐにアフガニスタンに持っていけるフォースプロバイダーは7モジュール、そのうちの大半が相模補給廠に備蓄されていたのだ。

今回横浜から中東に運び出されたフォースプロバイダー1モジュールは、朝鮮半島有事に備えて相模補給廠に備蓄していたものを、 中東にまわしたものだ。
6年前もやはりアフガンに向けて、補給廠からフォースプロバイダーが多数搬出された。10月6日の積み出しに続き、今後も相模補給廠から 横浜・本牧ふ頭経由で中東の戦地にフォースプロバイダーが送り出されることは十分にありうる。

搬出された相模補給廠の備蓄分は、現在製造中の2モジュールや、予算がついてから組み立て始められる4モジュールなどを将来運び込ん でつじつまを合わすことになりそうだ。

(RIMPEACE編集部)(写真は ARMY生物化学汚染除去・防護会議のフォースプロバイダー報告書より)


2007年11月現在の米陸軍フォースプロバイダーの配備状況(同報告書より)


'2008-10-8|HOME|