(TORII 2002.9.6 記事の翻訳)

石油パイプライン演習ハブサクセン2002は、米本国の予備部隊2つと、米陸軍の現役3部隊が合同で、8月8〜31日に相模補給廠で行われた。

この訓練は、戦時の部隊のミッション遂行に備えるために行われた。ただし安全面と環境面に配慮して、石油の代わりに水を用いた。

使用した5マイルのパイプラインのホースを集めただけでは、訓練は終わらない。兵士は集めたホースを洗浄するのだ。

この訓練は、石油供給のスペシャリストとしての能力を高めるために行われた。

「これは基本的には、通常沖縄で行われていた石油供給担当予備部隊の年次演習だ。訓練で利用できる陸軍の固定されたパイプラインは沖縄にしかない。しかし今年は、内陸部石油供給システム(IPDS)の訓練のため、相模補給廠で行われた」と第505品質管理大隊の訓練担当士官、デニス・レビスク大尉は語った。

今年の訓練で最も注目すべき点は、兵士たちが初めてIPDSを使った訓練を行ったということだ。IPDSはパイプラインとポンプの集合体で、これをつなぎ合わせることで戦闘状態にある戦域に石油を届けることができる。IPDSは90マイルのパイプラインをサポートし、複数の中継点のゴム袋の中に120万〜400万ガロンの石油を蓄えることができる。一つ一つの袋は、最大21万ガロンの容量がある。

「われわれは沖縄で重要な訓練を行ってきた。しかし、IPDSを使う訓練は出来なかった。IPDSは戦時備蓄の一部として相模補給廠に保管されている。本来の(石油供給担当予備)部隊の任務は、IPDSを取り扱うことなのだが」とレビスク大尉は言った。「今回の演習で、部隊は企画段階からパイプラインの組み立て、実地訓練、分解の各フェーズを経験した」

「IPDSを使った訓練の機会は非常に限られている。なぜなら、IPDSは世界中でほんの限られた場所にしか備蓄されていないからだ。その限られたチャンスは、大部分が現役の部隊の訓練にあてられる。予備部隊は、IPDS訓練の埒外におかれてしまう。実際のところ、予備部隊が訓練できるのは、今回の訓練くらいなものだろう」

今回の演習は、2つの部隊が途中で交代した。それぞれの部隊は、部隊展開準備、展開、組み立て、実地訓練、解体、本国帰還の6つのフェーズをこなした。実地訓練のフェーズでは、中継地点のゴム袋(レビスク大尉いわく巨大なウォーターベッド)には最大容量までポンプで水が注入され、12時間放置された。12時間経過後に漏れやその他の問題がないことを確かめた後、別のゴム袋に水が移送されて、同様の検査が行われた。2つのバッグは5マイルのパイプでつながれていて、水はそのパイプを経由して送られた。

相模補給廠に備蓄されている100以上のバッグの中から7つをテストすることで、初めて部隊は全てのバッグの耐用年数をもう5年延長できる、と決定できた。石油の代わりに水が用いられたが、実際の耐久性のチェックには影響がない。バッグをチェックすることで、連邦政府の資金の節約にもなった、とレビスク大尉は語った。

「もしわれわれが動員されたら実際に戦場で行うことを、訓練できたことが有益だった」とブレディは語った。「他の訓練施設では全てがセットされていて、われわれの仕事はポンプを作動させたりバルブを閉めたりすることだけだ。しかし今回の訓練には、セットの立ち上げから元の状態に戻すところまで全てが含まれていた」

「大事なことは、何もセットされていない場所で、全ての装備とツールを使って、われわれが仕事をやり遂げたことだ。われわれは一つの単位としてやってきて、全ての仕事をチームとして行った。結果として全て100%完璧だった。何にも不満がない。私たちに与えられた仕事は全て興味深く意義のあるものだった」

ハブサクセン2002には、予備部隊から200人以上の兵士が参加した。予備部隊は、ミシシッピー州グリーンウッドの第173品質管理中隊と、ペンシルバニア州ファレルの第347品質管理中隊だった。現役部隊は、第248品質管理分遣隊、第505品質管理大隊、第35補給支援大隊が参加した。

第248品質管理分遣隊は、予備部隊の司令部の役割と、在日米陸軍から参加した部隊との連絡役を果たした。第35補給支援大隊がホスト部隊となり、第505品質管理大隊が司令部役とスポンサーとしての業務を行った。

(RIMPEACE編集部訳)