相模補給廠に訓練支援センター建設へ A

 

「HEATと名づけられたハンビーからの脱出訓練装置(HMMWV Egress Assistance Trainer)を使った脱出訓練が、トリイ・ステーション の訓練支援センターで公開された」
「すべての兵士と支援要員は、戦闘地域に派遣される前にハンビーがひっくり返った際の訓練を受けなければならない」 (Torii 2009.5.21, "The HEAT is on: Soldiers gain essential skills during egress training" より)

ハンビーは確かにひっくり返りやすい車のようだ。攻撃された場合だけではなく、通常のドライブの最中でも、ハンドル操作を誤って ひっくり返ることがある。
沖縄自動車道の沖縄北インター付近で、迷彩のハンビーが車輪を上にしてひっくり返っているのを、筆者も最近(10.23)目撃している。
車体にロールバーが入っているためか、ひっくり返っても屋根がつぶれて脱出が不可能、などという状態ではなかった。
このような車体から、敵の襲撃に備えながら脱出する訓練をサポートするのがHEATであり、その訓練は訓練支援センターで行われた。

おそらくこのHEATを使った訓練では、実車にほぼ等しいシミュレーターに乗った兵士たちが、シミュレーターごとひっくり返されると いう、物理的なリアクションを訓練の中で受けるのではないか。
戦闘指揮訓練センター(BCTC)での訓練が、さまざまな状況に対処する「頭の」訓練なのに対し、実際にひっくり返るという「カラダの」 訓練の中で、兵士個人がその状況に冷静に対処できるように行われるのが、訓練支援センターでのHEATを使った訓練だ、と考えられる。

「すべての兵士と支援要員が受ける」訓練というところに、訓練支援センターと戦闘指揮訓練センターの訓練のターゲットの違いが出てい るのではないか。
戦闘指揮訓練センターがコンピュータ・システムを始めから組み込んだ施設なのに対し、訓練支援センターはさまざまな訓練装置を取り込ん で訓練を行う、いわば箱もの的な施設、と考えられる。(続く)

(RIMPEACE編集部)


ひっくり返ったハンビーから脱出する訓練を行う兵士。トリイ・ステーション訓練支援センターにて
May 21, 2009 Torii、The HEAT is on: Soldiers gain essential skills during egress training より


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