相模補給廠に訓練支援センター建設へ D

 

訓練支援センターを相模補給廠内に建設することは、米軍再編の中でどのように扱われていたのか。
「再編実施のための日米のロードマップ」を引っ張り出してみた。2006年5月1日の合意文書だ。

まずは日本語版。例によって仮訳と断っている。
2.米陸軍司令部能力の改善 では以下の訳になっている。
「在日米陸軍司令部の改編に伴い、戦闘指揮訓練センターその他の支援施設が、米国の資金で相模総合補給廠内に建設される。」 戦闘指揮訓練センターその他の支援施設、となっている。
英文の方を外務省のホームページから探し出した。
"Along with the transformation of Army headquarters in Japan, a battle command training center and other support facilities will be constructed within Sagami General Depot (SGD) using U.S. funding."

英文の方を見ると、日本語版がわざとぼかしている点がはっきりする。
「戦闘指揮訓練センターと、それとは別の支援施設が、」と訳すべきだろう。
また、別の支援施設が facilities と複数形になっているのも気になる。 "facility" を施設という意味で使うときは複数形をとる事が多い、と専門家に教えていただいた。 だからこれだけで、訓練支援センターのほかに支援施設をまだ造るつもりだ、とは言えないだろう。
同時に、訓練支援センターを造ってそれで打ち止め、ともロードマップは言っていないことも確かだ。

明示されていないが、訓練支援センターの建設についてはロードマップに記載がある。(だから、構わないということではもちろんない。)
しかしそれ以上の建設があるかどうかについては、英文の正本でもあいまいな記述のままだ。facilities と複数形で表現することで、さらに続々と支援施設を造る余地を 残している、とも考えられる。

米軍再編の交渉過程では、この facilities についても、当然具体的な話がでているはずだ。
政権が代わって沖縄全体の問題や、岩国への艦載機の移駐問題など、政治的に考え直さなければならないことは多数ある。その中で、このロードマップが具体的に何を意味して いるのか、ということを明示することも、緊急に必要なことだ。

(RIMPEACE編集部)


相模補給廠の倉庫群(09.7.17 撮影)


雪の朝、上空から見た相模補給廠。青い囲みが現在のBCTC建設現場(08.2.10 撮影)


2009-11-20|HOME|