米軍の世界的規模での再編成・トランスフォーメーションが取りざたさ れる中、米第一軍団司令部や在日米文司令部などの移駐が画策されてい
る、神奈川県の在日米陸軍司令部・キャンプ座間で、基地機能強化反 対、移駐反対の集会とデモ行進が29日行われた。
集会は台風余波の雨の中、相模原市の相武台第1公園で開かれた。 主催は神奈川平和運動センターと基地撤去をめざす県央共闘会議 20
0名余りが参加した。集会宣言は以下の通り。
参加者は集会後キャンプ座間の正門までデモ行進、基地正門前で、在 日米軍司令官とブッシュ大統領に宛てた要請書を基地側に手渡した。
(金子ときお・相模原市議)
もういい加減にしてほしい。
沖縄でまた、米軍ヘリの墜落事故が起きた。去る8月13日、普天間 基地を飛び立った海兵隊のヘリコプターCH53Dが宜野湾市にある沖
縄国際大学に突っ込み、炎上したのだ。同大学内の学生、そして近接す る住宅の人々に死傷者が出なかったのが奇跡的と言える事故だった。
普天間基地は兼ねてから、人口密集地に居座る基地として、爆音被害 と墜落の危険を指摘され、1996年に日米両政府間で返還が合意され
ていた基地である。しかし、同基地の辺野古沖移転が進まないことを理 由に、危険を放置したままに基地を存続させてきた。日米両政府の無策
が、今回の事故を引き起こす遠因だったのだ。
問題はそればかりではない。基地の外で事故が起きたというのに、米 軍は日米地位協定に基づく刑事特別法を根拠に事故現場周辺を占拠、沖
縄県警の現場検証への立ち会いも認めなかったのだ。同協定の不平等、 不合理、主権侵害ぶりが改めて明らかにされたのである。
もう我慢も限界である。日米両政府はこの際、住民の命を危険にさら す普天間基地の即時撤去を決断すべきである。同時に、そうした危険を
移設し、豊かな海と暮らしを奪う辺野古沖の海上基地建設も断念すべき である。
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私たちにとっても、対岸の火事ではない。
本年7月19日、厚木基地を飛び立ち、横須賀を出港する空母キ ティーホークの警備に向かう途中のH60ヘリが横浜市泉区の民間地域
に弾薬を落下させるという事故があった。さらに、8月19日には横田 基地所属のUH1ヘリが横浜「みなとみらい21」地区に不時着すると
いう事件が続いた。どちらも一歩間違えば、惨事となり兼ねない事故・ 事件だった。
基地との共存、隣り合わせはもう懲り懲りだ。
イラクに侵攻し、今も全土でイラクの市民や子どもに銃を向け、事実 上の占領を続ける米軍は、ここ神奈川や沖縄で、数え切れない基地迷惑
・被害をもたらしている。様相、程度は様々だが、その迷惑・被害の 根っこは同じだ。私たちが被る迷惑・被害の行き着く先が、米軍による
イラクなど世界各地での戦争であることに思いを致そう。
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その米軍が今、世界的な規模で基地の再編統合を進めようとしてい る。韓国と日本の米軍基地についても、あれこれの再編計画が伝えられ
ている。人々の反応、世論の動向もうかがうという意図もあり、流動的 で不確定な要素が多い。しかし、西太平洋での空母2隻態勢、厚木基地
の岩国移設など取り沙汰されており、私たちは注意深く、これらの動き に目を凝らしていきたい。
キャンプ座間への米陸軍第1軍団移転問題もそうだ。これによって、 キャンプ座間の格付けが上がり、基地強化、恒久化が図られるのだか
ら、決して認めることのできない動きだ。すでに、相模原市と座間市が 連名で絶対反対を表明、市議会や市民組織も同様の姿勢を示している。
いま必要なのは、さらに大きな反対の世論、動きをつくり出すことだ。 本日の緊急市民行動を出発点に、私たちも地元自治体と連携しながら、
第1軍団の移転阻止のために奮闘しよう。
2004年8月29日
米陸軍第1軍団は来るな!8/29キャンプ座間に基地強化に反対する 緊急市民行動 参加者一同