赤坂プレスセンターに飛来した座間ホーク


3月30日、東京の六本木にある赤坂プレスセンターに飛来した3機の陸軍ブラックホークヘリコプターのうちの1機(25.3.30 相模補給廠監視団 撮影)


ヘリの向こうには、「六本木ヒルズ」が見える(25.3.30 相模補給廠監視団 撮影)


ヘリポートに降りたブラックホーク。赤坂プレスセンターは陸軍の基地だ。陸軍に限らず米軍ヘリが頻繁に飛来する(25.3.30 相模補給廠監視団 撮影)

3月30日の15時頃、東京都心、六本木にある米陸軍基地「赤坂プレスセンター」のヘリポートに、西側から3機のヘリコプターが超低空飛行で飛来し着陸した。
いずれもキャンプ座間所属の陸軍ブラックホークヘリコプターだった。
赤坂プレスセンターに着陸した3機の座間ホークは、約20分後に西の方向へと飛び去った。3機が向かったのは、横田基地だった。

この日、14時台に首相公邸でヘグセス米国防長官が石破首相と会談していた。
午前中には、ヘグセス氏は防衛省で中谷防衛大臣と会談し、その後記者会見も行った。
15時頃に赤坂プレスセンターにやってきた3機のブラックホークは、防衛省や首相公邸での一連のスケジュールを終えた「ヘグセス国防長官御一行」を、横田基地に運んでいくための「お迎え」だったのだ。



ところで、このヘグセス国防長官来訪の翌日の3月31日に、防衛省は赤坂プレスセンターの立地する港区に対し「在日米軍は、自衛隊の統合作戦司令部(JJOC)創設とタイミングを合わせ、統合軍司令部へのアップグレードを開始する」こと、そして「在日米軍内に、JJOCと米軍の連携を専門に扱う部署を新設」し、「当該部署の人員は、赤坂プレスセンターのサテライトオフィスを拠点とし、日常的に防衛省・自衛隊等のカウンターパートと連絡・調整を行う予定」であることなどを「情報提供」した。

他方、「星条旗新聞」HPの4月3日付けの記事「USFJ creating a central Tokyo office to close distance with Japanese command」(「在日米軍、日本の司令部との距離を縮めるため東京中心部にオフィスを設置」)によると、防衛省は、「木曜日」(おそらく4月3日木曜日)に「星条旗新聞」に送ったメールで、「在日米軍は3月にこの再編の一環として新たな連絡部(a new liaison department)を設置した」と述べたという。

つまり、3月31日に防衛省が港区に「情報提供」した時点で既に、あるいは遅くとも同じ31日に、米軍は有無を言わさずに赤坂プレスセンターに「連絡部」を設置していたのだ。
ずいぶん地元を蔑ろにしたやり方だ。

同じ星条旗新聞の記事は、今回の在日米軍司令部の再編について、スポークスパーソンの言葉を要約する形で「The first phase of the upgrade focuses on enhancing USFJ’s operational capabilities and command and control by streamlining its structure into a dedicated warfighting command with increased staff and resources」((司令部の)アップグレードの第一段階は、人員と資源を増強し、組織を合理化して専用の戦闘司令部とすることで、在日米軍の運用能力と指揮統制を強化することに重点を置いている)と説明している。

要するに、赤坂プレスセンターへの今回の「連絡部」設置は、在日米軍司令部を「戦闘司令部」として日米軍事一体化を推し進める意図を持ったものだが、これは「第一段階」なのであって、今後更なる再編が目論まれているということのようだ。

星条旗新聞のこの記事は、今回の在日米軍司令部の再編によって「機敏性」と「殺傷力」(lethality)、そして「自衛隊とのより緊密な連携」が実現するという在日米軍スポークスパーソンの言葉も紹介している。
日米の「司令部」の一体化を進め、「機敏性」と「殺傷力」を高めた自衛隊に米軍の実質的な指揮命令のもとで米軍のための戦争を戦わせる仕組みを確立しようというのだろう。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


港区の4月3日付けプレスリリースより引用
https://www.city.minato.tokyo.jp/houdou/kuse/koho/press/202504/20250403_press01.html


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