座間移駐を内示された陸軍司令部ユニットUEx

在日米軍再編に関する中間報告に、キャンプ座間への米陸軍の新司令部の移駐が盛り込まれている。
ここでは、新しい司令部ユニットUExの規模などをチェックしておこう。

上掲の図は、新態勢を説明するパワーポイントの資料、04年11月2日の日付の入ったHow the Modular Army Fights の一部だ。在韓米軍と韓国軍への説明資料とみられ、英語とハングルが交互に出てくる。図自体はよく使われているものだが、人数が入っているので借用した。


UExは新しい概念で、これまでの米陸軍の師団司令部に相当する。第一軍団司令部は師団と同じレベルに「ダウンサイズ」されて、UExに改変される。現役の師団が10個あるから、第一軍団司令部を含めて11個の現役UExに改変される。その他、予備軍のUEx改変も含めたタイムテーブルが2005 ARMY MODERNIZATION PLAN に載っている。

陸軍トランスフォーメーションの中で、最も大きな変化は、師団の解体と旅団ベースの軍事単位で陸軍を再編しなおすことだ。これについては、別稿に回して、旅団を改編したUA(Unit of Action)を集めて指揮をとるUExがどんな構造になっているかを見てみよう。

UExは司令部、特別大隊、戦術指揮所から構成される。この図ではそれぞれ297人、477人、184人、UEx全体では917人となっている。(この人数は、05年7月27日に陸軍副参謀長が記者会見で話した1022人とは若干違っている。8ヶ月の間に変化したのかもしれない。 また、それぞれの構成部隊の合計も、UExの合計とは異なっている)
司令部は司令官、指揮所、連絡将校などで構成される。特別大隊は、司令部付き中隊、ネットワーク中隊、セキュリティー中隊で構成される。そして戦術指揮所は2つの指揮所からなる。

これは、戦闘部隊の司令部だ。実戦部隊(UA)を適宜集めてきて、実際の戦闘を指揮する。メインの指揮所と、戦術指揮所との関係は、下の図(同じ説明資料の2ページ先)を見れば、見当がつく。

キャンプ座間に移駐されようとしているのは、米陸軍の現在の師団レベルの司令部だ。いわゆる実戦部隊を伴っていないが、司令部としては米陸軍に共通の組織・人数のものだ。
米陸軍再編では、実戦部隊(UA)と司令部(UEx)は戦時には固定したつながりを持たない。戦地に派遣された司令部が、陸軍の全UAの中から必要に応じてピックアップして、現行の師団レベルの戦闘単位をつくる。キャンプ座間の新司令部も、その意味では米本土の現役部隊の司令部となんら変わりはない。

(RIMPEACE編集部)


'2005-10-31|HOME|