「純子の見聞録」元気ネットワーク2000年2月
1月18日の臨時市議会で、石木ダムに関する報告をさせていただきたいと、唐突にも 水道局より議会事務局を通して、企業経済委員会に申し入れがありました。議会開催 まで土日を挟んで後幾日もない1月14日金曜日閉庁間近なことです。
事務局によると石木ダムの利水に関して再評価、いわゆる「時のアセスメント」を 行った結果を公告する(広く一般市民に知らせる)事を報告したい。議会の議決を要 する事ではなく、あくまで公告の報告であるので5分ぐらい時間をとってもらえばい いという事でした。
つい先月平成11年12月3日に改選後新メンバーで初めて開催された水資源確保対策 特別委員会も私は傍聴していましたが、全く触れられなかったことです。不覚にも再 評価の対象になっていたことさえ知らず、突然の事ですぐに委員長として詳細説明を 水道局に申し入れ、17日、副委員長も同席の上、経過説明を受けた次第です。
各地で大規模公共事業の中止あるいは見直しを求めて市民運動が展開されていま す。吉野川の可動堰建設の賛否を問う徳島市の住民投票は国の大型公共事業をめぐっ ては初めての試みであり、結果はご存じのように圧倒的多数で建設反対の意志が示さ れました。徳島市民の住民投票条例制定請求はいったん市議会で否決されています が、その後行われた自治体選挙において間接民主主義の洗礼を受け、建設反対派の議 員が多数を占めた事から条例が成立しています。
条例による住民投票の結果が国の方針変更に有効性があるか、広域自治体にまたが る河川管理に1市だけの反対決議がどれだけ有効か、自然をあくまで人為的に屈服さ せようとする防災対策のあり方、また間接民主主義と直接民主主義の問題等々、公共 事業のあり方を問う問題に付随して、多くの解決しなければならない課題が提示され ました。改めて徳島市民の勇気ある挑戦に賞賛の意を表すと共に、我が身に降りかか る課題を真摯に受け止めています。
1997年12月内閣総理大臣の指示を受け、公共事業関係各省庁は公共事業再評価 システムを導入しました。石木ダムはその対象とされ、再評価は国が自ら定めた事業 再評価手続きフローに沿って行われています。治水関連の再評価は1998年、県レ ベルで行われ、結果は事業継続となっています。また情報公開の原則に従って公表し なければなりませんが、方法は各自治体に任されていて、記者発表の方法が採られた ようです。記事が掲載されたのでしょうが、石木ダムを所管する委員会でも問題には されませんでした。
利水に関しては市レベルでの再評価の依頼が厚生省より県を通じて、すでに昨年4 月にあっていました。しかし一切議会には知らされず、実施要綱に従って学識経験者 を含む市内の5名の市民で第3者協議会を設置し、その答申を踏まえて結論が出さ れ、事業継続が決定され、今回の報告に至っています。
議会に報告する決まりはないが、議会も平成7年「石木ダム建設促進佐世保市民の 会」の請願を採択しており、議会とも一体となった建設促進を進める上から報告する のであって、質疑は受けるが議決事項ではない。情報公開は公告の方法を採るという 説明を当局より受けました。いくら議会の議決事項ではないにしても、情報公開原則 とは基本的にそんなものではないのではないか。時のアセスメントとは過去に様々な 経過があったとしても、議会も含めていったん立ち止まり事業を見直してみるための ものであり、このようなやり方は意図的としか思えないと私は指摘し、副委員長もこ のような重要な事柄を5分ぐらいで報告とは納得いかないと指摘されました。
しかし、報告に対する質疑の時間を充分にとるつもりで始めた委員会では、各委員 から一つの意見も出ないという結果だったのです。事前に私が求めた全国的ダム事業 の見直し状況の資料提出を促すと、反対に一議員としての請求か委員会としての請求 か問い直され、委員会として提出を求めていることを明言してやっと不満足な資料の 提出に至ったという状況です。やっぱり女性議員は軽んじられているのだろうかと滅 入ってしまいます。公告は近々行われる予定になっています。
2000-2-4|HOME|