「純子の見聞録」元気ネットワーク2000年10月
9月定例議会が27日終わりました。「広報させぼ」10月号がすでに各家庭に届き、ど のような議案が上程されたかが第1面の記事となっています。そして議会審議の途中 経過は各メディアを通してその都度、報道もされています。その後最終本会議にて各 議案等が結審した後、「議会だより」が各家庭に届けられます。この事が予算を使っ て、議会毎に繰り返されていますが、市民の皆さんへ有効な情報提供となっていない のはなぜなのでしょうか。議案の一つ一つが市民生活に密着している事なのですが、 どう自分自身の生活に関連してくるのか伝える事は文字情報ではなかなか伝わらない と痛感し、何をどうお伝えすればすれば良いのかこのコーナーを書く度に考えてしま います。
それはそれとして今議会での議論を1つご紹介します。私の所属する企業経済委員 会に付託された議案中、と畜場の立て替え工事において談合情報があったことはご存 知の事と思います。談合の問題はどこの自治体でも頭の痛い問題であり、有効な方策 が見出せないでいます。警察も証拠を掴めないでいるものを、捜査権のない市当局の 事情聴取には限界があり、当事者が「談合した」と言う訳はなく、結局は「談合はな かった」とする以外にはないのです。本会議において入札制度の改善を市長に迫る質 疑もありましたが、市長は逆に有効な方策を伺いたいと議会側に振ってくるありさま です。
入札を何度繰り返しても同じ業者が低入札であることや殆どが予定価格すれすれの 高値落札という談合や予定価格の漏洩の状況証拠はあるのですが、業界の結束は堅く 証拠がありません。個人的に関係者に聞くと誰もが、談合は当然の必要悪と答えられ るし、今回の委員会審議においても談合は当然の事と考えておられるのか地元企業を 優先すべしという議論に終始しました。今回のと畜場建設は、と畜場法改正に伴い衛 生基準をクリアしなければならない特殊な施設であり、厳しい入札制限が付されたこ ともあって市内業者が参入出来なかったという状況があります。業界に詳しい議員さ んは市内業者にもその能力があるといい、行政側はないという。はたまた能力がない というなら地元企業を育成するためにもやらせるべきではないかという論議が繰り返 されました。行財政改革が今日的課題でありながら、こと公共事業においては最低制 限価格を上げよとか制限付き一般競争入札の範囲を狭めよという意見など、逆行する 論議が交わされる状況をこの業界に詳しくない私としては不思議でなりません。PF I方式だとかリース方式でつくられ公共施設が通常の二分の一〜三分の二(?)の価 格で出来る状況をどう見るのか。粗悪工事や業者いじめの原因になるという理由で 「歩切り・予定価格を合理的理由なしに削減する事」を戒めている建設省の指導は現 状に合致しているのか。政治的意図が介入する不可解な世界であるとつくづく考え込 んでしまいます。
今後本市でも予定価格の事後公表がされるようになりました。これがどのような効 果があるのか市当局の説明によると不正な入札の抑止力になることと積算の妥当性の 向上に資するとのことです。不十分ながらこれも一歩前進である事は確かであり、今 後全ての入札執行調書が公開されることになります。全ての市民オンブズマンよ!こ の調書に注目あれ!
2000-10-2|HOME|