「純子の見聞録」元気ネットワーク2001年4月


「議員でなぜわるい」

3月定例市議会が27日閉会いたしました。H13年度介護保険特別会計予算も可決。ある議員さんから「橋本さん、うちの年寄りをみてると長生きも問題よ」と言う非公式発言。 

高齢者福祉に関する質問を毎回続ける私に、これまで一般市民の皆さんからも「もっと力を入れるところがあるのじゃないの」と暗に同様の忠告を頂いていた事も再三あります。それはどういう意味なのか考えますが、この論議を公式な会議で発言すると不穏当な言葉が一人歩きをすることもあって、特に議員さんは非公式でも確信を突く本音の発言は難しいのです。この議員さんの言葉の裏には、現に介護を要する高齢者を抱え、その介護を直接担っている方は妻であり、その苦労を察しておっしゃったのではないかと想像します。高齢社会が進展し4人に1人、3人に1人が高齢者という中で、まだ個人的レベルの問題と捕らえるのではなく、妻の介護地獄からの救出という視点からぜひとも社会ルール化してほしいと思っています。もちろん高齢者施策の基本は健康な生きがいを持った高齢者が増える事であり、その前提があっての介護問題解決の論議が出来たらと考えます。

今回のテーマからずいぶん逸れてしまいましたが、当面の私の課題の1つを1年前にスタートした公的介護保険制度の質的向上においています。長年医療現場にいた私の反省を踏まえ、同じ状況を繰り返してはならないと思っているからです。介護サービス提供が自由経済競争下におかれ、その質をコントロールする仕組みはまだ充分ではありません。どうその仕組みを作っていくか、自由競争を確保しながら、行政としての役割を何処までとするのか、サービス消費者としてどんな役割があるのか、議員としても元医療従事者としても一市民としても取り組みたい課題です。

 そんな中、民間レベルの苦情受け付け機関として、数ヶ月の準備期間を経て「佐世保福祉オンブズパーソンの会」が漸く4月1日発会式を迎える事になりました。こんな会が佐世保にも出来るといいねと話し合ってはいましたが、無理だとあきらめていた会への参画の誘いを、呼びかけ人の方から受けたときには、本当に嬉しく思いました。しかし議員である私が参画する事への様々な批判も予測され、あくまでも一市民と断っても理解は得られない可能性がある事は政治の世界に入って幾度となく経験した事であり、そこを乗り越えられるのか危惧するところでした。結果は案の定、様々なところからいかがなものかという反応があり、改めて議員とはやっかいな仕事だと思っているところです。 ある議会関係者から「オンブズマンの活動報酬は対象福祉施設からもらうのか」という質問がありました。あくまでも自由意志の問題であり、報酬に当たるものは当然ありません。この方の質問の真意は何なのでしょうか。一般市民の皆さんの「いかがなものか」の思いも含めて、議員に抱くイメージを自分なりに分析してみると次のようなものなのでしょうか。議員には社会福祉法人の直接経営者であったり、理事であったりする方も多くおられます。当然正当な報酬を頂かれているわけですが、それは議員としておかしくない行為であるが、監査する側に廻るのは議員にあるまじき行為という事になるのでしょうか。又は議員は報酬を受ける側に廻るのは似つかわしいが、チェックする側に廻っても似つかわしくなく、そのチェックに信頼性がなくなるという事なのでしょうか。

この悲しくなる現実に、議員でなぜ悪いと私は開き直っています。しかしまた周囲のお仲間にご迷惑は掛けられないと思うのも又現実です。

橋本純子(佐世保市議)

 

2001-4-7|HOME|