「純子の見聞録」元気ネットワーク2001年5月
1997年に「佐世保市環境基本計画」が策定されました。そしてまた、その計画の一環として市役所自身が率先して取り組む行動指針として、2000年を目標とする「環境保全のための佐世保市役所実行計画」があります。
以前にも指摘したかと思います。繰り返しになりますが、計画行政を進められる前段として、多くの素晴らしい計画書が時間とお金を掛けて作られます。しかし、その計画の多くが推進体制が曖昧で進行管理の責任の所在が不明確であり、結局は絵に描いた餅に終わっていることに対し、その事を再三指摘してきました。そういう意味では議会も進行管理には大きな責任がある訳です。
そこで昨年の6月議会で、目標年度を迎えるこの計画(環境保全のための佐世保市役所実行計画)の進捗状況について質問しました。行政当局の答弁では一定の成果が上がっているとのことでした。しかし示された数値の集計には疑問がありましたし、基本的にデータの取り方さえ曖昧でした。
なぜこのような結果になるのか。この進行管理システムの曖昧さをどうすれば解決出来るのか。充分に検討し、2001年から始まる新たな計画に反映するように要望しました。
具体的にはISO14001環境シリーズ認証を受け、外部監査システムを取り入れるよう提案致しました。また行政評価システム構築の取り組みがわが市においても始まった折でもあり、まずは環境政策の評価を課題にしたいとの事でしたのでISO認証を提案しました。ですが行政評価としてはもし取り組むならISO9000品質管理シリーズと考えているとの見解が示されました。行政サービスにおける顧客志向の考え方については一面では賛同していますが、やたら政策評価を財政的効果だけに重点を置いているのではないかと危惧しています。こと環境における政策評価については違うのではないかと考えています。
2001年5月1日より、改定された佐世保市役所エコプラン(佐世保市環境保全率先実行計画)がスタートします。 昨年「地球温暖化対策の促進に関する法律」が施行され、地方公共団体としても温室ガスの削減についての取り組みが求められています。また、「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」(グリーン購入法)も今年4月より完全施行されています。それぞれ計画策定や結果の毎年の公表等、法的に義務付けられていることもあり、この新たな課題を追加・修正された計画となっています。結局ISO認証は受けずにISOの手法が取り入れられています。つまり推進管理で第三者機関の外部監査はないことになります。
地方自治体でISOを取得したところも増え、いくつか視察していますが、すでに役所だけでなく民間の取り組みについても評価の対象に加えているところもあります。皆さんにもぜひともこの取り組みに関心を持って頂き、そしてご協力を!
橋本純子(佐世保市議)