「純子の見聞録」元気ネットワーク2001年8月


新返還6項目に関する感謝決議

先の議会において上記の感謝決議が採択されました。

 市勢発展に弊害になっている米軍施設の返還を求める6項目の決議が昭和47年に行われていますが、20数年在日米軍及び国への要望を続けているにも関わらず硬直化した状況が続いていました。その後基地を取り巻く時代状況が変わったとして6項目の見直しが行われました。見直し作業は、私が1期目に所属していた基地対策特別委員会において、精力的に進められ、結果新返還6項目としてまとめられました。 その背景には平成7年に市長交代があり、新市長の公約である前畑弾薬庫返還の実現と、また基地施設使用をめぐって再三米軍と競合する佐世保市の基幹造船企業の要望が繰り返されていて、早急にその問題解決が迫られていた事が大きかったと考えます。その事から新返還6項目は実現可能性もさることながら上記の課題を踏まえて変更されたように思います。

 その後、市を上げて陳情活動が展開される中で、佐世保港湾施設活用に関わるそれぞれの関係団体の利害が錯綜し始め、佐世保港のすみ分け問題が浮上してきました。それぞれの関係団体の問題をここで取り上げれば、過去の基地問題から紐解かねばならなくなりますので割愛しますが、この間表面化しない、私も関知しえない水面下の多くの駆け引きが展開されたことだけは確実です。

 今回の感謝決議に至る経過ですが、6月27日に開催された「佐世保基地問題を考える議員懇談会」に参加した市長はその結果を受け、緊急の市長コメントを発表しました。その後直ちに会派代表者会議が開催され、市長報告を受けた後、感謝決議の議長提案がなされたようです。その場では特に反対意見もなく同意されたようです。ひとり会派の私は蚊帳の外ですので詳細は分かりません。

 議会の正式な意志決定の手続きとして7月2日の基地対策特別委員会に感謝決議案文が提出されて初めて、その経過を知る事になります。

 基地対策特別委員会の審議において委員長は決議をするかしないかという論議は省き、するという前提で案文内容の審議から始めようとした事に対して、私は多数会派の横暴さを感じ、委員外発言を求めました。当然、当該委員の発言が優先され、再三挙手を続けましたが指名して頂けませんでした。その内に当該委員からの発言もあって、結局、決議をするかしないかのところから論議される事になります。

 結果として時期の問題は有ったとしても反対する理由もなく、努力して頂いた方に感謝するのは当然のことであり、私も採択する事にしたのですが、まだ私の気持ちは釈然としません。それは正式な議会の手続きにこだわった事に通ずる事ですが、「佐世保基地問題を考える議員懇談会」は長崎県選出の国会議員を中心に自民党議員で構成される任意の団体に対し、防衛施設庁が示した今後の新返還6項目に関する見通しであって、公式な場でのものではないことです。その前提となるジュリエットベースンの岸壁埋立を初め、まだまだ今後多くの困難な課題が想定されます。それをなぜ今しなければならなかったのか、委員会の中でも意見としてあった参議院議員選挙を控えた思惑があったようにしか思えません。

 市民、国民に分かりやすい政治はあり得ないことなのでしょうか。私はあくまでも適正な手続きによる開かれた議会にこだわりたいと思っています。

橋本純子(佐世保市議)

 

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