「純子の見聞録」元気ネットワーク2002年1月


『今、審議会が面白い』 

本年度から設置された「教育を考える市民会議」を加えて現在、佐世保市には行政の付属機関が43、任意機関が33設置されています。それぞれの定数は622人と570人。議会と行政の関係者を除くと合わせて定数906人となっています。同じメンバーが当て職として多くの審議会を兼任されていましたが見直され、現在は3機関までと制限されています。これまでも幾度か触れたことがありますが、審議会が様々な制約の中で実質的論議の場にならず、しかもその結果は合意形成の錦の御旗として重要な役割を果たしていく状況をいかがなものかと思っています。要因としては様々考えられますがその一つとして、時間の制約とあいまって情報格差があまりにもあり過ぎることが考えられます。行政当局の提案をそのまま承認せざるを得ない状況になっています。

 最近「教育を考える市民会議」、「清掃等運営審議会」を傍聴する機会を得ました。「教育を考える市民会議」は異例の予算を組んで毎月論議が重ねられています。公募委員を加えて30名の委員で構成され、すべて公開審議とされています。また会議録は専用のインターネットホームページに掲載されています。市民全体を巻き込んだ論議が展開されることこそが半分以上この事業の成功とも言えますが、残念ながら私が傍聴した日は一般市民の傍聴は少なく、殆どが行政関係者で占められていました。この予算の是非は事業評価とともに今後におくとしても、行政には担当セクションを開設され、その力の入れようは異例であり、皆さんの傍聴参加に期待したいと思っています。最近審議会は公開原則に立ち運営するとされていますが全体としてどうなっているのか分かりません。「清掃等運営審議会」は傍聴が許されました。その日は行政の諮問に対して審議会の答申が示されました。これもまた異例ではないかと思うのですが、一つの諮問案が否決されました。終了後行政の今後の対応を聞くと議会提案をあきらめるというのです。いかに市民の声である錦の御旗が威力を発揮するか議会人として複雑な思いでしたが、答申内容は妥当であり、委員の皆さんの目の確かさに敬服させられています。今回の審議に当たっては諮問案をいくつかに分けて小委員会が設置されました。これまで一回の審議で結論が出されていましたが、数回の審議が今後も含めて予定されています。これも変化の一つです。因みに昨日は佐世保港地方港湾審議会が開催されました。私も初めてこの審議会のメンバーとして港湾計画改定の審議に加わりました。これも公開審議としましたが傍聴はマスコミだけだったようです。

 バークレイ市はアメリカでも代表的な民主的な町ですが、そこの審議会の話を伺ったことがあります。多くの異なる意見が自由に言える土壌こそが住民自治の財産であり、行政も十分にその認識を踏まえて、さまざまな方法で行政に自分自身の意思を示すことが許されています。何の意思も持たないようあきらめさせられた市民よりずっといいと思いませんか。

橋本純子(佐世保市議)

 

2002-1-10|HOME|