「純子の見聞録」元気ネットワーク2002年7月


議会の活性化

只今、6月定例会の開会中。まだ私の一般質問は終わっていませんが、今回私は「市民との協働によるまちづくり」というテーマで質問したいと思っています。行政の透明性を高めるには情報公開を前提に意思決定プロセスに市民が参加できる仕組みが必要であると、この紙面でも繰り返し強調してきました。佐世保市が突如としてパブリックコメントをネット上で求めたことから体系化した公聴・広報に対する方針を持って進めるべきではないかという趣旨のものです。

 毎回、同趣旨の発言をしながらも間接民主主義における市民の代表である議員の一人として割り切れない思いが残ります。現状の議会こそが一番先に分権時代に即応した改革が迫られていることを認めざるをえないからです。「汚職と偽善」に満ちた政治とあきらめ、無関心になってしまう人々が多い中で、これまでの慣行を打ち破れずにいるのはなぜなのでしょうか。取り組まなければならない課題は明確であっても数の論理に支配され、一向に改革は進みません。一人会派を選択した私は現状の会派制に疑問を持ったことも大きな要因でした。会派制を全否定しているわけではありませんが、現行の会派制には問題点が大きいと思っています。このことを説明してもあまり問題にされなかったのは打開策が見えない中で(説明を求めた人の)諦めがあったのではないかとも考えます。  

 しかし、先進自治体議会の取り組みは目を見張るものがあり、その改革は着実に全国に広がりのつつあることを実感しています。1つの事例を紹介します。地方自治法上議会の議決を要しない事項については、パブリックコメントは求めても基本的に議会への説明は要求がない限り必要はないことになります。しかし四日市市議会は議会が蚊帳の外ではその役割を果たせないと議会の権限強化を図る「四日市市議会の議決すべき事件を定める条例」を議会の全議員で論議の末、法に基づく5つの基本計画について議決すべき事件として議会提案条例として議決しました。議会事務局に法制担当職員を配置し、政策立案をバックアップする機能が強化されています。蛇足ですが、四日市市議会活性化の要因は99年の統一自治体選挙で当選した8人の新人議員にあったとの分析があります。  

 佐世保市議会も役所の一人一台パソコンに次いで今年度事業として全議員へのパソコン貸与、議会内LANが各会派室に構築されました。これからこれをどう有効に活用するかが今後の課題であり、検討委員会が設置される予定になっています。本会議場、委員会室までもLAN構築が進むとノートパソコンを持って移動と言う完全ペーパーレス化も夢ではありません。それにも増して情報の収集さらには議会としてあるいは議員個人としても情報の発信が容易になると同時に重要だと考えています。議会のIT化が議会の活性化、開かれた透明性の高い議会の実現につながるよう、まずは私たち議員のITリテラシー促進が課題といったところでしょうか。  

橋本純子(佐世保市議)

 

2002-7-14|HOME|