「純子の見聞録」元気ネットワーク2002年8月
「公立幼稚園廃止について」
公立幼稚園3園の廃止条例案が先の議会で継続審議となり、閉会中の文教厚生委員会審議が行われています。H13年2月に示された「佐世保市公立幼稚園の見直し推進計画」に沿って、昨年度当初予算から関連予算が上程され、幼児教育センター及び白南風幼稚園の建設が始まり、計画は進行しています。なぜ今になって継続となったのかその経過をお伝えします。
H13年度当初に関連予算が可決された直後に、今後「計画」全体をさらに民活の方向で見直すようにという議会決議が賛成多数で可決しています。(因みに私はその決議に反対しています。)事の発端は先の6月議会に公立幼稚園3園を廃止する条例改正の議案が開会1週間前の議会運営委員会に送付された後に地元説明会が開催されたことにあります。納得のいかない保護者会からの「存続を求める」議会請願2件と、さらに廃園が予定されている町内会自治会長の連名による陳情が緊急案件として今議案として取り上げられました。それは存続を求めることもさることながら、行政の説明責任を問うものであり、時期を含め、誠意の無さへの不満が大きかったように思われます。
疑問は、幼稚園問題検討委員会の論議がH11年から始まっており、「推進計画」が明らかにされてからも1年以上の時間的余裕が有ったにも拘らず、市民の皆さんにその情報が伝わらないのはどこに原因があったのかということです。文教厚生委員会が独自の判断で保護者の意見を聞く公聴会を開催していたようでしたし、当然行政の説明会も開催されているものだと思っていました。説明会がなされなかったその理由として、議会側の要請であったとする行政の弁明は何を根拠にするものだったのでしょうか。また議案送付後に説明会をするようにとの要請だったのでしょうか。
行政の権限の大きさに比較して議会の権限が小さいことがよく問題になります。議会の権限の拡大は条例設置等でルール化しない限り、計画全体を議案とすることは出来ず、計画推進に関わる予算が上程された時点、また条例改正議案として議会審議の俎上に上り、その時点で議会の意思を示すことになります。議会と行政の力のバランスとして議会決議を尊重したのであれば、「推進計画」を見直さなければなりません。そうでないのであれば行政の裁量の中で説明責任を果たすことは当然のことであったと考えます。
閉会中の文教厚生委員会の継続審議はこれまですでに2回開催されています。計画全体の見直しを問題にしつつ、その見直しがまったく正反対の見解で結論は否決する以外にないという市民の皆さんには見えにくい状況があります。論議は尽くされたとした状況が請願によって覆され、再度、佐世保市の幼児教育の将来を見据えた基本の議論に戻ったということを首を傾げつつ私は嬉しく思っています。また継続審議の中でどのような解決が見出せるのか難しい問題です。次期自治体議員及び市長選挙の争点にしてはどうかという意見までが飛び出しています。
橋本純子(佐世保市議)