「純子の見聞録」元気ネットワーク2003年1月


「佐世保市中期財政計画」

2003年度国家予算原案が発表されました。一般会計における国債発行、つまり借金によって賄われるその額は小泉政権が財政健全化の目標とした30兆円を優に超え、36兆4460億円となっています。予算総額81兆7891億円に占める割合はなんと44・6%。2003年度末の国債残高は450兆円。一般家庭で想像して見てもこれがいかに異常な予算であるかが容易に想像できます。未来の若者にその借金の返済を回し続けることはこれ以上許されない危機的状況であることは誰の目にも確かです。

  12月17日に開催された佐世保市行財政改革推進特別委員会において、今後の財政計画の説明を求め、今後5年間の普通会計における中期財政計画が明らかにされました。しかしこの説明時点ではまだ来年度の地方財政計画は明らかになっていませんでしたので、これまでの算定根拠と調整方針によって示されたものであり、流動的な数値と言えます。また現在の経済状況からして、歳入の増加は殆ど望めず、さすがに来年度の市税収入はマイナス3・3%となっていますが、しかし以後の4年間は詳細に提出資料を見てみますと0・7%、2・5%、2・7%、3・0%(その後5年間も3%以上をキープし、平均して2%の経済成長を見込んでいます)とされ景気回復基調の計画となっています。今後5年間で地域経済が好転するとは殆ど考えられず、これまた大変楽観的な流動的な数値であることが分かります。

    そのことを前提に算出された結果として、今後5年間の佐世保市普通会計の実質収支は約83億円のマイナスを生じることになっています。その調整方法として、@行財政改革の推進によって30億円。A基金の活用によって約25億円。B財産の売り払いによって8億円。合計63億円となり、差し引き財源不足は20億円となります。5年後(2007年)の地方債残高(佐世保市の借金総額)は1、145億5千万円。債務負担行為額(すでに将来の歳出が確定しているもの)約88億円。積立金約96億円。差し引き将来への財政負担は1、137億6千万円となります。

今年10月地方分権改革推進会議の最終答申が出されました。地方税、地方交付税、国庫支出金について三位一体の改革方針が示されていましたが、肝心の地方への税源委譲については骨抜きの答申であったとの批判があっています。すでに来年度の地方財政計画が公表されました。国庫補助負担金の見直しに伴って、義務教育費国庫負担金、在宅福祉事業費の一部が一般財源化、道路整備にかかる国庫補助金が自動車重量譲与税の地方配分の増額によって地方へ譲与が増加しています。地方交付税総額約18兆700億円は対前年度比約マイナス7・5%になっていますが、それに臨時財政対策債5兆5、400億円(地方負担分)を加算すると対前年度比5・1%増となっています。  

  分かりづらいことをながなが述べましたが、先に述べた佐世保市中期財政計画に表面上大きな変化はない来年度の地方財政計画になっていますが、これまた臨時財政対策債という借金によってであり、景気対策のためか地方までもが緊縮どころか借金を増やす状況になっています。後年度の借金返済は地方交付税で手当てすることになっていますが、地方の分まで国が負担するのはおかしいと言う議論もあり、将来的に当てに出来るものではないと私は考えています。来年度末の地方の借入金残高は199兆円となり、国と同様に年々増加の一途を辿っています。これからの地方財政運営には自立が求められていることからすると、貸してくれるからといって借り続けることはおかしいのではないかと考えています。

橋本純子(佐世保市議)

 

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