「純子の見聞録」元気ネットワーク2003年4月
「市政報告会を開催しています」
情報の共有化なくして「みんなでつくる街させぼ」の実現はありえないということを 常々考えています。そんなことから毎月、「暮らしからの政治」と題して「井戸端会 議」なるものをこの1年半やってきました。また加えて今回、機会を見つけては精力 的に市政報告会を開催しています。「聞いてよかった」「分かりやすかった」という ありがたい感想を頂き、私の元気の元になっています。しかし反面、議員歴8年の間 にも日々思っていたことではありますが、伝えることの難しさを改めて実感させられ てもいます。
「議員としてやり残したものは何ですか」という問いかけを頂きました。投げかけ られた私はこの問いを大変重たく受け止めました。この問いの裏を返せば、限られた 議員任期の間に自分自身の公約を実現し、期間内に課題を完結させねばならないとい うことが期待されているというように感じるからです。もしそうであるならば、議員 はその市民の皆さんの評価基準に従って勢い、目に見える形の成果に努力することに なります。実際、その議員心理は確かにあるように思います。しかし、だからこそ ハード事業といわれる箱物行政が先行してきたのではないでしょうか。
制度や枠組みは時代に応じ、常に流動的でなければなりません。命や暮らしの安心 ・安全を常に土台にしつつ、環境の変化に柔軟に対応していく施策を、未来を見つめ て問い続け、意識を変えていくことこそが重要だと考えています。そしてそのことは 尽きることのない連綿と続く課題でもあります。やり終えることなどないと考えてい ます。それこそが議員の役割ではないかと。しかし、言うはやさしいことであり、実 際には硬直化した制度や枠組みを変えるあるいは意識を変えるという課題はそうそう 簡単なことではありません。議員として最も重要なのは、変革に挑戦し続ける気力を持ち続けることだと思うの ですが、私はその気力を失いかけた時期がありました。任期を全うするために、気力 を取り戻す方法を自分なりに考えなければなりませんでした。そして、何とか議員と しての役割を果たせたのではないかと思っています。2期目の任期を終えようとする 今、共感者が少しずつではありますがみえ始めています。目に見える共感者がいるこ とは嬉しいことです。当然一人では世直しは出来ないことです。
双方向にフランクに語り合う各所の市政報告会では多くの貴重なご意見を頂いてい ます。たとえば、地域経済の低迷は雇用の場がないなど深刻さを増しています。経済 のグローバル化の中で一自治体がどのような政策を持ちうるか大変難しい問題です。 私が得手とする専門でもありませんが、どこかを圧せばどこかがへこむという限られ た財源を、どのように有効に活用し、優先順位を決定していくのか。豊かさの意味を 今一度問い直す大きな課題が突きつけられていると改めて実感し、議員としてのあら たな気力を感じているところです。
橋本純子(佐世保市議)