「純子の見聞録」元気ネットワーク2004年10月


「教育問題の質問を終って」

 教育の問題を今回は一般質問に取り上げました。教育とは「百年の大計」と言われる ように、結果が目に見える形ですぐに現れるものではなく、良くも悪くも徐々に積み 重なった結果であり、何が効を奏したのか、何が災いしたのかなかなか計りがたいも のです。そういった意味で教育問題の難しさを痛感しています。
「教育者でもないの に何が分かるのか」というご批判も頂きましたが、何でも体験しないと物が言えない のであれば、それこそおかしい話です。市民の意見も聞かないで「専門家に黙って任 せておけ」という姿勢こそが大きな問題であり(レイマン・コントロールの問題)、 さらに教育の普遍性、中立性、継続性は大いに認めるとしても、余りにも社会の変革 やその速さに気づいていないのではと思える対応の遅さは問題があるのではないで しょうか。
無謀と言われようが普通のおばちゃんの感覚であえて質問にチャレンジし た次第です。

 今回、定例議会では多くの議員が佐世保市で起こった同級生殺害事件を受けて質問 に立たれました。私は直接的にはその事件を受けて、教育行政を問うものではありま せんでしたが、大いに事件を意識したものでした。
私はこれまで「学校における性教 育の問題」、「不登校に関連して学習指導や心の相談事業の問題」を取り上げてきま した。

 しかし、いくら説明を受けても皆目、学校現場での全体像がつかめませんでした。
教育委員会もその実体をほとんど掴めていないのだということを改めて認識させられ ました。あまりにも不透明であることに驚きを感じるとともに、もしかすると民主主 義の根幹であるアカンタビリティ(説明責任)の原則が認識されていないことが教育 界において、一番の問題ではないのかということに気づかされました。
医療界にいた 私としては、医療界の閉鎖性に引けを取らないくらい教育界が閉鎖的で不透明である ことを痛感しています。
そのことを浮き彫りにする事例として、以前からご相談の あっていた教育問題を取り上げ、今回の質問を組み立てました(詳細は私のホーム ページ佐世保市議会のホームページを参照下さい)。

 逐次、同級生殺害事件についての教育委員会調査報告が、文教厚生常任委員会にな されています。
本日(9月27日)は、県教委に続く佐世保市教委の調査報告を文部科 学省へ提出したことを受けて報告がなされました。その中で、教師の証言と児童の証 言に食い違いがあることが問題となり、あげくの果てには、校長が保護者への説明の 中で「子どもは嘘をつくものです。」と言ったの言わないのという真意のほどははっ きりしませんでしたが、そんなことまで出てくる始末。
今回の私の一般質問も考え合 わせると、学校内部の問題を隠すために、平気で子どもを嘘つき呼ばわりまでして体 裁を保つ体質が、教育界にはあるのではないかという疑念さえ持ってしまいます。

 現在、中央教育審議会に「地方分権時代における教育委員会の在り方について」諮 問され議論が始まっています。
教育委員会制度の意義と役割、首長と独立行政委員会 である教育委員会との関係、市町村と都道府県教育委員会との関係、学校と教育委員 会との関係及び学校の自主性・自律性の確立についてなど、現状の問題点がかなり見 えてくる興味深い議論が展開されています。
分権時代のわが町の教育行政はどうある べきか、二度と再びあのような悲惨な事件を起こさないためにも目をそらさず、皆さ んとともに考えていきたいと思っています。

橋本純子(佐世保市議)

 

2004-10-5|HOME|