「純子の見聞録」元気ネットワーク99年9月
「わが町の介護保険」
6月の定例議会で、小値賀町・宇久町と共同で介護認定審査会共同設置に関する議 案が、審査会規約という形で提案され、審査会だけは広域で行われる事が決定しまし た。 調印式の模様はマスコミでも報道され、皆様もご存じの事と思います。衆議院選挙 をにらんで、凍結・延期論が出てきたりしていますが、2000年4月実施に向け て、わが町の準備は急ピッチで進められています。
行政の手法として、水面下で行われる意志決定の過程は市民に充分知らされず、ほ とんど動かしようのない段階まで準備が整えられてから、公表される傾向にありま す。議会においても介護保険に関しては、昨年特別委員会設置を会派代表者会議で論 議されました。私は是非必要という主張をしましたが、大方の意見が不要ということ で、設置が見送られました。保険者が各市町村である介護保険は、地方分権の真価が 問われる、自治体にとっては初めての大きな課題でありながら、議会の関与が最終段 階になってからであることはいかがなものかと考えます。
すでに、公募によって選ばれた「介護保険市民の会」が提出した提言書を考慮して 論議されたとされる、老人保健福祉計画及び介護保険事業計画策定作業部会の中間報 告案は、未完成ながら6月に公表されています。この報告書案にどれくらいの人が詳 細に目を通す事が出来たでしょうか。報告書によると、わが町の介護保険料は当面3 200〜3300円で検討され、2004年までの基盤整備目標値、つまりサービス の量をどれくらい整えるのか数値目標が示されています。この数値目標によると、施 設整備は現段階からほとんど増やさない方針になっています。つまり今後5年間の方 針は在宅重点型の整備が進められる事になっています。
論議は次に佐世保市保健福祉医療審議会に移り、最終的な計画が決定されます。計 画は基本的に議会の議決事項にはなっていませんが、計画に付随して自動的に介護保 険料が決定する事になります。議会には「佐世保市介護保険条例」として、施行直前 の3月議会に提案される事になるのではないでしょうか。 すでに厚生省の「介護保険条例準則」が明らかにされていますが、各地で市民が提 案する介護保険条例の動きがあります。わが町もしっかりとその理念を明記した介護 保険条例、さらに福祉全般の総合的基本条例を創らなければなりません。
これから走りながら完成させていくこの制度には、その理念から逸脱しないために は、初めにしっかりしたわが町独自の条例を制定せねばならないと思っています。 10月から始まる介護認定審査会に向けて、佐世保市介護認定審査会の70名のメン バーも各団体の推薦によってすでに決定し、審査時間平均4分というデモンストレー ションが行われたと聞きます。想像以上に急速に多くの問題を抱えながら進んでい る、わが町の介護保険制度の動向に注目して下さい。ご意見を待っています。
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