「純子の見聞録」元気ネットワーク99年10月


10月号

「港湾の活用と基地のすみ分け」

   今9月定例会の会期中です。今回の一般質問はこれからの港湾整備の方針と基地のす み分けについて取り上げました。

 基地すみ分けのために「佐世保問題現地連絡協議会」が発足したのはご存じの通り です。その後野呂田防衛庁長官の来訪もあり、大きな成果を上げたと大々的に報道さ れていました。しかし、いったいこの協議会は今後どのような方向付けがなされるの か、なにを論議する場なのか。当面の課題は、立神第4・5岸壁の代替岸壁整備と前 畑弾薬庫の移転返還その他と地元選出国会議員への陳情の際、市長は説明されていま す。その他とはなにを指すのか。この協議会の構成メンバーは佐世保市と防衛施設 庁、海上自衛隊それに県ということですが、それぞれの主張の中で佐世保市の主体性 はどこにあるのか 。立神岸壁の代替岸壁と前畑弾薬庫の移転返還だけを要望するだ けのものなのか。三者協議会ではあれほど動かなかったジュリエットベースンの埋め 立てが、数百億円という多額の費用にもかかわらず驚くような早さで方針決定に至っ たのは何が効を奏したのか・・・。

 最近の佐世保基地を取り巻く状況をみていますと新ガイドラインに基づく周辺事態 法が実際に動き出している事に危機感をもっています。米軍基地関連では救難艦セー フガードの追加配備、揚陸艦ダビュークにかわり、最新戦闘指揮システムを搭載した ジュノーの配備、またこれからの予定されている強襲揚陸艦エセックス交代配備、L CACの施設整備と6隻の追加配備、平成12年度の米軍施設整備費の概算要求額は前 年度の2倍以上の62億円と急増しています。また自衛隊基地関連では陸自の緊急即応 部隊の有力候補地になっているとのことで、市長は今回の議会答弁でその誘致運動を 表明しています。また艦船の大型化に伴い、平成13年完成予定で、太田貯油所の拡 充、また金山弾薬庫の拡充、通信機能の充実が進んでいます。また海上自衛隊の不審 船対策として平成15年には高速ミサイル艇2隻の追加配備が予定されています。最近 明らかにされた倉島地区の整備計画では0・6ヘクタールの埋め立てや10岸の岸壁整 備が予定されています。立神、前畑の問題は重要な問題ですが、それを実現するため の代償として、基地が強化されていくのではないかと危惧を抱いています。

 また先にも書きましたように、佐世保港における貨物取り扱い量は内貿、外貿共に 減少し、全国的にも物流の停滞傾向にある中で、平成12年度に予定されている「港湾 計画改定」においては商港機能の縮小が懸念され、それに伴い基地強化などの防衛機 能優先の港になるのではないかと懸念されます。

 このような状況の中で、市長は港湾管理者として商港の将来像をきちんと示してほ しい。方針がなければ、「佐世保問題現地連絡協議会」のすみ分け論議において、佐 世保市の立場が主張できなくなり、結局それが基地強化を容認することになるのでは ないか。市長は市民の生命、財産を守るという行政の長としてこのすみ分け論議の中 でどのような主張をしていかれるのか、以上が今回の質問の趣旨でしたが、答弁には 私が意図した特筆すべきものはなかった事を、大変残念に思っています。


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