「純子の見聞録」元気ネットワーク99年11月


11月号

「第三セクター佐世保パールシーリゾート」

    9月定例会、企業経済常任委員会に付託された議案に第三セクター「させぼパール シーリゾート(株)」への出資金9600万円の問題がありました。この件に関し某 新聞に「疑問が相次いだにもかかわらず、最後は全快一致で可決した」と厳しい批判 を受けました。追加出資は「三セクが経営責任を負うとしたリゾート設立時の方針を 根本から覆すものだ。同リゾートの失敗は誰の目にも明らかなのに、計画を進めた 市、追認した議会のいずれも責任を取らないばかりか、それを償うために新たな金を つぎ込むという悪循環に陥っている」というものでした。スタート時の誤りは認めざ るを得ないと思いつつ、私としては可決したことが、現時点の議会としての責任の取 り方だったと思っています。

 私が議員になって4年半が経過しましたが、様々なバブル期の事業の後始末がいか に大きい課題になっているか痛感させられています。西海パールシーリゾートをはじ め、県民文化ホールの管理運営費を市が負担するという県との協定、烏帽子スポーツ の里等々頭の痛い事ばかりです。

 そもそも西海パールシーリゾートはハウステンボス計画と関連して昭和63年から計 画されたものであり、過去の記録を読み返すと当初から無理な計画を再三変更を重ね つつ、ごり押しで進めてきた経過があります。紆余曲折の後、平成6年開業に漕ぎ着 けたようですが、早くも平成8年には経営破綻が明白になり、させぼパールシー (株)から佐世保市への支援陳情がなされています。経営陣の責任を追求しながら、 市が示した暫定再建案が議会でも企業経済委員会を中心に論議が繰り返されました。 させぼパールシー(株)の倒産またパールシーセンターの閉館は弊害が大きく、その 事は避けるという基本姿勢で議会も今後の方向性を見いだす事で一致した経過があり ます。経営陣の交代と減資(資本金4億円から8000万円)という事で一定、経営 責任が問われ、新たに資金調達のための出資者が募られ、資本金を2億円とし、2年 間暫定的に市直営(1部業務委託)方式で再スタートしました。その間、本格的な再 活性化計画として、「西海パールシーリゾート再活性化基本計画」が立てられまし た。2年間の暫定再建期間は今年度までとなっています。新たな計画を受けて、今回 の追加出資の議案が提出された訳です。

委員会審議の中でも、市直営でという意見もありましたが、すでに殆どの事業が直 営に近い状況です。将来も不採算事業であるテナント事業を直営にするとなると、こ の建設費用の借入金の償還が、センター建設借入金と併せて市が全額負担しなければ なりません。マリーナも海賊船海王も老朽化しています。今回示された管理委託方式 と直営方式のどちらを選択してもさして変わらない市の財政負担が考えられます。再 活性化計画も不安材料はあり、今後の経過をしっかり監視していかなければと考えて います。

 現在の企業経済委員会は改選後の新たなメンバーとはいえ、過去の経過を踏まえて の論議が必要ということで、議会に先立ち研究会を開催しました。そのためか本委員 会での論議が見えにくいものになった事は否めないと委員長として責任を感じていま す。研究会を持つのも考えものだと思っています。


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