「純子の見聞録」元気ネットワーク99年6月〜8月


6月号

「お世話になりました」

 2ヶ月のご無沙汰でした。先の統一自治体選挙においては皆様のご支援ご協力のも と、何とか2期目の当選を果たす事が出来ました。本当にお世話になりました。 5月臨時議会で議長・副議長を決定。それぞれの所属委員会も決まりました。私は まだ所属していない都市整備常任委員会・企業経済常任委員会を今期は勤めたいと考 えてます。慣例で前期と後期に別れているのですが、結果、前期は企業経済委員会所 属となりました。主に経済振興が課題となる委員会ですが、昨今の景気低迷で佐世保 市においても多くの問題を抱えています。そんな折に委員長を拝命し、その責任の重 さに改めて身を引き締めている次第です。得手な分野ではありませんが、これまで同 様の頑張りで克服して行きたいと思っています。  

ところで今回の統一自治体選挙ですが、ご存知のように全国的には過去最多の女性 立候補者数を記録しました。佐世保市においても5名が立候補いたしましたが、改選 前と変わりない議席数の3名が当選という残念な結果でした。今回は女性にとってわ ずかですが、追い風ムードだったとはいえ、佐世保市ではそうはいきませんでした。 要因として、議員定数削減が考えられます。全国的に見ても、政党離れが進んでいる とはいえ政党女性候補の当選率は高く、無所属候補は県議、区議でわずかに上昇し、 政令市議、市議では低下しているという結果です。今回の2議席の削減は無所属候補 にとっては不利に働いたように思います。共産党の女性候補においては、改選前議席 1は確保できたと考えられますが、2名の候補が共倒れという結果となり、女性議員 誕生とはなりませんでした。結果から言える事は女性だからといって、有利に戦える ほど佐世保市では追い風は吹いていなかったようで、これから先女性議員を増やすに は多くの困難があるようです。  

今回「女性候補としてどう思いますか」と言う質問を何回となく受けました。また これまで私自身も女性議員として、女性の視点、生活者の視点を大切にしながら、福 祉、教育、ゴミ問題、環境問題等々の課題について頑張りたいと発言してきました。 しかし女性だからといって主張は様々です。また、これらの課題は男性議員であって も同じです。地方分権が進む中で、より地域に密着した多様な課題を、女性を含む多 様な市民が、身近な議会で決定していく事が必要な時代なのだという事ではないで しょうか。なぜ今女性なのかという、これまで頭の隅で引っ掛かりながら整理出来て いない事を考えてみますと、結局、女性があらゆる場面に男性と同じように参画する 事が普通なのだというジェンダーフリーの社会、男女共同参画社会の実現にあると考 えます。

困難な状況の中でさらに女性議員を増やすために、今通常国会に上程されている男 女共同参画社会基本法における積極的改善措置条項に期待したいと考えています。


7月号

「議会の活性化」

改選から初めての定例議会が、6月28日から始まります。  

 定例会に先立ち何度かの議会運営委員会が開催されました。今期、私は残念な事に 議会運営委員にはなれませんでした。前期、委員を務める中で私は、議会の改革はこ の委員会の活性化から始まると痛感させられていました。しかし、現行のわが市の議 会運営委員会は議長の諮問に関わる議題がそのおおかたを占めています。議会運営に 関わるすべての問題点を論議出来るものと思っていた私は、議長が問題にしない限り 論議の対象にされない事をたびたび経験し、変だと思うと同時に核心にふれる論議が 出来ないことに苛立ちを感じていました。

 改選後の議会運営委員の構成メンバーは大きく変わり、正副議長も交代しました。 そして議会運営委員会では行財政改革論議がもっぱら活発に行われています。結果、 行政当局の行財政改革推進実施計画を促進する特別委員会が設置されることになりま した。また議会に関しては、新聞紙上で騒がれた改選期の報酬の問題に直ちに反応 し、条例が改正される事になりました。

 真の意味の行財政改革は当然必要な事であると考えています。しかし、議会のあり 方論は横において、ただ単に財源の削減に終始しているように思えてなりません。改 選直前に出された議員定数の削減の請願に対しても、選挙を意識してとしか思えない ように論議を深めないまま、全会一致の原則を無視して多数決で議会運営委員会を通 過したのはご存じの通りです。  今期に入って佐世保市でも、議場に日の丸を揚げる、揚げないのという長時間に及 ぶ論議も行われていて、昨今多数会派横暴とも思えるやり方、議会の右傾化が気に なっています。  

これから地方分権推進法に基づき、地方に権限が委譲される事になっています。ど こまで真の地方の時代となるか期待出来ない部分もありますが、私たちの街の街づく りにしっかりとした理念が求められてます。  行政はなにを優先させるべきか、さらにはどこまでが行政の役割なのか、どこまで が市民の役割なのか、合意のないままでは行財政改革の論議はあり得ません。行政と 市民との間で重要な役割を果たす議会・議員はどうなければならないのかが問われて いると思っています。  

それにはまず「開かれた議会」が大前提です。市民の皆さんにとって、より身近な 議会となるよう情報公開のあり方を議会運営委員会は論議し、議会を活性化していか なければなりません。例えば委員会の傍聴、委員会の会議録の情報公開、議会報の議 員発言の記名等々を問題にしたいと思っています。  


8月号

国・地方ともにその財政運営が危ぶまれている状況下で、公共事業の見直しが叫ばれ ています。佐世保市における公共事業の筆頭は道路橋梁整備事業費ですが、港湾整備 と漁港整備を合わせると港の整備に一番多くの財源が当てられています。

 佐世保港は明治以来軍港として、港湾の整備に巨額の国費が投入されてきました。 第二次世界大戦後は軍港としての役割を終え、残された膨大な港湾施設の活用が大き な課題となり、昭和23年1月には貿易港の指定を受け、そして佐世保市は昭和25年6 月画期的ともいえる平和産業港湾都市の宣言をしました。しかしその矢先、同年6月 に勃発した朝鮮戦争により、大半の港湾施設は米軍に接収され、順調に発展していた 外国貿易は致命的な打撃を受けました。その後、昭和26年には重要港湾に指定され、 昭和27年には佐世保市が港湾管理者となりました。同年国策により米海軍基地に指定 され、昭和28年には海上自衛隊佐世保地方総監部が設置されました。以後商港機能と 防衛機能を併せ持つ港となっています。因みに重要港湾とは港湾法に基づく分類で、 「国の利害に重大な関係を有する港湾」と規定されています。また付則第5号の特例 の規定で、その上のランクに準ずる準特定重要港湾に位置づけられています。この指 定を受けているのは主に旧軍港であり、横須賀・舞鶴・呉・苅田・佐世保の5港と なっています。

 先日、日本海最大の物流拠点である新潟港を視察する機会を得ました。新潟港は昭 和42年に日本海側初の特定重要港湾21港中の1つに指定されています。  内外貿易貨物取扱量は年間約6000万トンと佐世保港の約300万トンとは比べ ものになりません。また平成8年に輸入促進地域の承認を受け、貿易関連企業の集積 が進められています。コンテナターミナルでは、佐世保で見たこともない40フィート コンテナを軽々と持ち上げる大きなガントリークレーンやキャリアーが動き回ってい ました。コンテナ化が物流の主流になる中で、その取り扱い量は年間約3万4000 個ということですが、これも世界の取り扱い量からすると微々たるものです。例えば 全部は聞き取れませんでしたが、シンガポール1510万個、東京1250万個、横 浜201万個、大阪121万個なのだそうです。

 大方の港湾の管理者は都道府県にあり、港湾整備の財源は大まかに言って国・県・ 市で負担する事になりますが、佐世保市は国と市で賄われ、大きな財政負担になって います。反面、佐世保港の貨物取り扱い量は近年徐々に減少してきている現状にあり ます。歴史に翻弄され、国策に翻弄されてきた佐世保港は、平和産業港湾都市という 自治体の意志は反映できないまま今日をむかえています。平成12年は佐世保港港湾計 画改訂の年になっていますが、倉島地区における計画については一定市長の意志が示 され、せめて軍商分離をという願いも叶わない状況にあります。これからの佐世保港 の将来像をどう描いていくのか、時代の状況を十分考慮した計画が必要と考えます。


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