給油艦1隻、佐世保に追加配備

MSC(軍事海上輸送コマンド)所属の給油艦1隻が、事実上米海軍佐世保基地に追加配備されたことが明らかになった。この艦はヘンリー・J・カイザークラスのラパハノック(42000トン)で、11月になって佐世保基地に出入りを繰り返していた。
関係者や乗組員の話では、米海軍横須賀基地に「配備」されていた同型の給油艦グアダルーペが長期間ドックに入ることになったため交代して第7艦隊に配属されたが、横須賀基地が手狭になったため、米海軍佐世保基地を中心に行動することになったという。
同艦は日本周辺で行動する空母機動部隊に随伴し、洋上で給油することを任務としているが、「軍艦」の取扱ではなくMSC所属の「民間船」ということになっている。このため米海軍佐世保基地は問い合わせに対して「MSCの船は母港とすることはない。配備されたということは事実ではない。」という主旨の回答をよこした。
しかし併せてラパハノックが長期間佐世保港に停泊することは否定しなかった。
背景には、キティホークや随伴艦の集中で岸壁が不足がちな横須賀基地に代わり、整備・拡充された貯油設備や施設に余裕のある佐世保基地に補給支援機能を振り分けるねらいがあるものと思われる。
佐世保港には98年から米韓合同訓練「フォール・イーグル」など大規模な訓練の度に複数隻の事前集積艦が長期間入港するなど補給支援艦船の動きが目立っていたが、今回の給油艦の配備で補給支援機能が強化されることが心配される。
'99-12-29|HOME|