台風4号が沖縄に近づいた6月9日、佐世保港に大挙して6隻もの米海軍(MSC)の補助・補給艦船が集結した。
広い佐世保港の水域で、しかも通常停泊する岸壁ではなく沖合いであったため目立たなかったが、一度にこれだけ入港することはあまり例がない。
入港船の状況は以下の通り。
1、ポールバック(燃料輸送船)が燃料を満載したまま、横瀬貯油所前の検疫錨地(GT-2)に6月1日から長期間停泊。
2、弾薬補給艦キスカが時折弾薬積み下ろし作業はあるものの、ほとんど待機状態。
3、測量艦3隻がほぼ同時に入港したが、これまでのように岸壁(赤崎、立神)には停泊せず、沖合いに停泊している。 沖縄に接近した台風避難が目的と推測される。
4、貨物輸送艦ケープ・ヤコブが横瀬貯油所に接岸し、大きな円筒状の物体を陸揚げした。横瀬は岸壁の長さが50メートルほどで、貨物輸送に使われたことはなかった。何か貯油所に必要なものを運んできたのではないか。
台風接近という偶然の機会で、九州西方及び朝鮮半島周辺海域でこれだけの艦船が動き回っていたことが明らかになった。とりわけ、沖縄から佐世保にかけた東シナ海で活動していた海洋調査(測量)艦の動きが明らかになったのは興味深い。
これまで測量艦が「相棒」としていた原潜はどこにいるのだろうか。
台風の影響が少なくなった6月12日朝、海洋調査(測量)艦ジョン・マクドネル、ブルース・C・へーゼンと貨物輸送艦ケープ・ヤコブ、燃料輸送船ポールバックの4隻は佐世保港を出ていった。弾薬補給艦キスカはそのまま動かず、海洋調査(測量)艦マリー・シールズは岸壁に移動した。
(RIMPEACE編集委員・佐世保、写真はすべて04.6.9午後撮影)