弾薬補給艦キスカ、佐世保から沖縄・天願へ


天願桟橋に停泊して弾薬を積み下ろし中の、弾薬補給艦キスカ(7.9 撮影)


(左)これが全部弾薬の梱包。(右)民間トラックも動員して弾薬を搬出(7.9 撮影)

米海軍の弾薬補給艦キスカが、これまでにない長期間の佐世保停泊の後出港した。  6月7日に佐世保港に入港した同艦は、佐世保港中央部にある停泊地に錨を降ろした後、7月5日になってようやく出港した。

 これまで同型の補給艦キラウエアが1月以上の長期間、佐世保に滞在したことはあるが、そのときは定期修理のため長期の停泊になったもので、今回のように沖合いに約1月間も停泊したことは記録を取り初めて以来のことだ。

 この間キスカは、台風避難のため入港した米海軍の測量艦や補給艦があわただしく出入りするのを横目に、時折荷役作業を行なっていたものの、大半はただ沖合いに浮かんでいるだけだった。

 しかし7月3日、広島方面から陸送されてきたと思われる弾薬などをあわただしく積み込むと、同5日早朝出港した。
 広島にある米軍の弾薬施設にはハワイにあるヒロ弾薬庫から海上輸送されていたようなので、キスカはその「貨物」が到着するのを待っていたものと思われる。

 佐世保港にはこのところ、米陸軍や海兵隊の事前集積艦が頻繁に姿を見せるようになっている(近く報告予定)が、今回の異例の停泊は東アジアの米軍の再編成=移転整理計画と関連し、事前集積物資の中継拠点あるいは一時的待機場所として位置付けられようとしているということも推測される。

 佐世保を出港したキスカはその直後に沖縄・天願桟橋に入港し、積み込んでいた弾薬などを陸揚げした。 天願桟橋は、主に弾薬の積みこみや積み下ろしのための施設だが、積み下ろしの現場を捉えたのは珍しい。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


1月近く佐世保に滞在した弾薬補給艦キスカ(6.9 撮影)


空母が帰港した日に、キスカは横須賀でミサイル類を下ろしていた(5.24 撮影)


'2004-7-14|HOME|