津波被害救援・捜索、佐世保から多くの米艦船が現地に向かう


沖合いにレイニア、右手の赤崎岸壁にサンノゼとマリー・シールズ、手前の立神(India)1号岸壁に左がボウディチ
右がジョン・マクドネル。このうち、ボウディチをのぞく2隻の補給艦、2隻の測量艦が津波被害救援・捜索に向かう
(2004.12.27 佐世保基地)

 スマトラ島沖地震とその後の津波による被害に対して在日米軍などが救援と不明者の捜索などに向かうことが分かった。

 米海軍のホームページなどで明らかにされたところによると、揚陸艦を中心に補給艦などが被災者への救援物資を輸送するとともに、測量艦などが洋上から行方不明者の捜索や遺体の収容作業を行なうようだ。  この災害支援には昨年末から米海軍佐世保基地の岸壁に停泊していた戦闘補給艦サンノゼと測量艦2隻が含まれているという。

 すでに戦闘補給艦サンノゼは12月31日、ドック型揚陸艦フォート・マッケンリーとあい前後して出港し、ボウディッチとマリーシールズの2隻の測量艦も近々出港する見込みとなっている。
 このほかにも空母「エイブラハム・リンカーン」に随伴していた高速戦闘支援(総合補給)艦レイニアも昨年末、佐世保に一時寄港した後、あわただしく出港していた。

 佐世保基地が今回の津波災害救援艦隊の拠点というような様相だが、これは単なる偶然ということではない。
 2001年4月、中国・海南島付近で起きた中国空軍の戦闘機と米海軍の偵察機衝突事件の折も佐世保基地には測量艦や貨物輸送艦、それに巡洋艦などの戦闘艦が集結し、海南島の空港に不時着した偵察機と海中に投棄された偵察機材の回収作戦の拠点となっていた。

今回はたまたま「災害救援」ということだが、人道支援であれ軍事作戦であれ、米海軍にとって佐世保基地はアジア・太平洋地域の補給拠点として使い勝手のよい基地ということだろう。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


佐世保基地のあわただしさとは対照的に、常駐艦全部がそろって新年を迎えた横須賀基地(2005.1.1 撮影)


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