佐世保基地・恒常化した貨物輸送艦の停泊

この2年ほどで目立ってきた米海軍所属の貨物輸送艦の入港が今年も相次いでいる。 昨年は6月末までにのべ14回の入港が確認されたが、今年もすでに5隻12回の入港が確認されている。

入港した貨物輸送艦は海兵事前集積艦が1隻3回、陸軍事前集積艦が1隻3回、新型配送システム艦が1隻4回、即応予備艦隊所属1隻1回、その他1隻1回となっている。
入港した貨物船は大半が沖合いの錨地に停泊しており、大規模な貨物の積み下ろしなどの荷役作業あるいは物資や燃料の補給作業は確認されなかった。

これらの観測結果から考えられることは、貨物輸送艦は佐世保港を朝鮮半島や東アジアでの作戦や訓練の際しての待機場所あるいは燃料補給ターミナルとして利用しているものと思われる。
アジアの米軍再編についてさまざまなプランが示されているが、佐世保基地はより一層艦船の補給拠点としての役割が強化されようとしているのではないだろうか。

このことは現在でも制約されている商業港としての機能がさらに押しつぶされることにつながりかねない。
市民の猛反発を受けて撤回したが、佐世保商工会議所は「佐世保港を軍港に」というとんでもない提案を発表した。しかし、このまま港を米軍の艦船が占有している状態が続けば、また同じような提案が出てくることもあるだろう。
佐世保市民の将来にとっても輸送艦の補給ターミナル化は認められないことだ。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)




上からワトソン(05.6.3)、ケープホーン(05.6.7)、スキャンボス(05.4.11) 佐世保基地で


'2005-6-27|HOME|