佐世保基地に原潜、駆逐艦が相次いで入港


6月29日に米海軍佐世保基地赤崎岸壁に接岸した駆逐艦ラッセン


6月28日に同岸壁に入港した原潜ツーソン(06.6.29 撮影)

北朝鮮の弾道ミサイル発射情報で緊迫している中、6月28日午後には原子力潜水艦ツーソン(SSN−770)、翌29日には横須賀に配備されているミサイル駆逐艦ラッセン(DDG-82)が佐世保港に相次いで入港した。
原潜ツーソンは数日間停泊する見込みだが、ミサイル駆逐艦ラッセンは燃料などを補給した後、直ちに出港する予定だ。

ラッセンは6月8日に空母キティホークとともに、ツーソンは翌6月9日に相次いで横須賀基地を出港し、グアム周辺の海域で行われているバリアント・シールド訓練に参加していた。
キティホークは7月1日に北海道・小樽港に寄港を計画しているが、その折の随伴艦は巡洋艦カウペンスが予定されているので、ラッセンはおそらくその期間中、別の任務を受け持ったのだろう。
この時期に「別の任務」といって考えられるのはミサイル監視活動だろう。

海上自衛隊のイージス駆逐艦2隻は17日までに佐世保を出港し、太平洋海域に向かったものと思われるが、ラッセンも佐世保出港後は同様の活動に向かう可能性が高い。
横須賀にはエイブラハム・リンカーンに随伴していた駆逐艦ラッセルも入港したが、北朝鮮のミサイル発射をモニターするミサイル防衛(MD)の実証実験に、ラッセルが参加する可能性もある。

日米両国は「テポドン発射の可能性」の情報を利用して、大掛かりな「ミサイルウォッチ態勢」をしいている。それはMD実施計画の前倒しで軍事的需要を生み出そうという思惑とも見える。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


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