測量艦が集中する佐世保基地


測量監ボーディッチ(4月18日 撮影)


測量艦ブルースCヘーゼン(左)とボーディッチ(右)(6月1日 撮影)

佐世保港ではこのところMSCに所属する測量(海洋調査)艦の入港が目立っている。

冷戦終結後、新しい米海軍の海洋戦略「フロム・ザ・シー」に基づいて原子力潜水艦も外洋から大陸棚周辺に活動の重点を移してきたが、それに伴って2001年頃までは大陸棚の海底地形や海流の調査のため測量艦が原潜と一緒に行動(調査)するパターンが一時増加した。
しかし周辺海域の調査が一段落したためだろうか、この数年は測量艦が単独で調査に当たっているようで、従来のパターンはあまり確認できなくなっていたが、一方では測量艦が米海軍佐世保港に入港する回数は顕著に増加していた。
 特に04年以降は長期に停泊するケースが増え、単に停泊だけでなく定期修理などのメンテナンス作業も確認できるようになって来た。
 今年は入港回数(5回)こそ昨年同期(8回)より少ないものの、停泊延べ日数は97日に達し、昨年同期(61日)を大きく上回っている。あたかも測量艦の活動拠点になったかのようである。

 ところで、米海軍佐世保基地にはこのところEODMU(移動爆破処理部隊)やNCB(海軍建設大隊)の分遣隊が移駐するなど新しい部隊も目立ち、それに合わせて基地司令官の職務分掌も拡大しているようである。
 先日の空母リンカーンの入港に際して、佐世保基地(FAS)所属の警備艇が抗議の船団に対して機銃を持ち出すという事件があったが、これも佐世保基地司令官の権限の拡大がさせたものかもしれない。
 米本土で顕著に進められているBRAC(基地再編と閉鎖)により「基地司令官」の職は「貴重品」になってきたため張り切ったのかな、とも思える。
 だが、一方では笑顔を振りまいて免税品を廉価で販売して「市民との友好と親善」を呼びかけながら、他方では抗議者に対しては機銃を持ち出すというのは米軍の本音なのだろう。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


測量艦ジョン・マクダネル(6月5日 撮影)


測量艦メアリー・シールズ(6月12日 撮影)


'2006-6-14|HOME|