空母キティホークが佐世保寄港


佐世保に寄港した空母キティーホーク(06.11.6 撮影)

11月6日朝9時前、空母キティホークが佐世保港内35番錨地に停泊した。
佐世保港には今年5月にも原子力空母エイブラハム・リンカーンが寄港したが、同じ年に空母が2隻入港したのは16年前の1990年にミッドウエーとカール・ビンソンが入港して以来となった。

キティホークの佐世保寄港は、数年以内に退役が予定されている同艦の「ラスト・ビジット」ということで以前から計画されていたということだが、一方では朝鮮人民民主主義共和国(DPRK)の核爆発実験に対応したものという見方もある。

佐世保にはこのほか随伴艦のミサイル巡洋艦シャイローとミサイル駆逐艦ステゼムが続いて入港した。
このほか燃料補給艦のウォルター・S・ディールも燃料貯蔵所がある赤崎岸壁に接岸した。
佐世保港にはこのほか、弾薬補給艦フリントが一足早く入港しており、同じく6日に博多港に入港したフィッツジェラルドなどとともに空母打撃群を構成して行動している。
DPRKに対する国連制裁決議や6カ国協議の再開合意という状況の中で、朝鮮半島での事態の推移を念頭に置いた行動と思われる。

なお、キティホークは94年におきたDPRKの核疑惑とNPT脱退を受けて始まった米朝協議のさなかの同年9月30日、韓国・プサンに入港したが、当時の艦隊司令官だったズラトパー准将は入港目的を「交渉を(武力で)後押しするため」と発言し大問題となった。
今回は刺激的な発言こそないものの、同様の意図があることは明白だろう。

なお、空母艦隊は佐世保出港後、9日から海上自衛隊の艦船との「定期訓練」を九州近海で行うことが明らかにされている。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)



キティーホークとともに寄港した巡洋艦シャイロー(上)と駆逐艦ステザム(06.11.6 撮影)


'2006-11-6|HOME|