ミサイル追跡艦また変身、レドーム2つ追加
今回入港したオブザベーション・アイランド。ブリッジ上部に2個のレドームが設置してある。(06.11.8 撮影)
今年5月22日入港時の同艦。ブリッジ上部には小さなレドームが見えるだけ。(06.5.23 撮影)
弾道ミサイルの追尾と監視を任務としているオブザベーション・アイランドの様子がまた変わった。
約2年前に、その特徴だった位置測定用のレーダーを収納していた巨大なレドームを撤去し、より小型のGPS装置に置き換えていた。
しかし10月28日に佐世保に入港したオブザベーション・アイランドのブリッジ上部に、今度は2個のレドームを設置している様子が確認された。
ミサイルの追尾用と思われる各種レーダーはそのまま搭載しているところから、新たに設置したものはより精密な位置を測定するためのシステム、または自艦で得たミサイルのデータを迎撃態勢をしいている僚艦と瞬時に共有するシステムではないかと思われる。
これまで米政府はMD(ミサイル防衛)の実験を盛んに繰り返し、イージス艦にミサイル追跡能力および迎撃ミサイル発射能力を付与した、と主張している。また、ミサイル迎撃実験は成功したとして日本海にMD対応艦2隻を常駐させる方針を明らかにした。
しかし、一連の政治的キャンペーンとは別に、現実には日本海でのMD対応艦の常駐体制はいまだ見通しが立っていないのが現実のようだ。米政府としてはMD開発に日本政府から巨額の資金を引き出した以上、なんらかの成果を見せなければならない状況にあることは確かだろう。
そうであるならば、オブザベーション・アイランドの再度の変身は、イージス艦のミサイル探知と追跡能力の不足を補足するため「本職」の能力を強化し、MDシステムを補完するためのものではないかと思われる。
(RIMPEACE編集委員・佐世保)
[参考]イージス巡洋艦の中でSM3搭載艦だけが装備するレドーム。やはりペアになっている(06.9.29 撮影、シャイロー)
'2006-11-9|HOME|