定期化したケーブル敷設艦の寄港


今年13回目の佐世保寄港となったケーブル敷設艦ゼウス(T-ARC 7)(06.12.24 撮影)

米海軍がただ一隻しか運用していないケーブル敷設艦ゼウスが佐世保港に定期的に入港している。ゼウスは12月24日、佐世保港の62番錨地付近に停泊したが、これで今年1月以来13回目の入港となった。

 特徴的なのは、その入港がほぼ1月に1回のペースであることだ。また、停泊日数も、今年1月の入港を除けばほぼ1週間程度の停泊日数となっている。唯一長期となった今年1月(21日間)の場合は機関の故障修理を行っていたと思われるので、メンテナンス上の理由がなければ、同じパターンの入港と考えられる。

 海底ケーブルは沖縄など日本の米軍基地や韓国の米軍基地のほか、フィリピンの米国政府施設とも結んでいると思われるが、既報のとおり近年はSOSUS(音響監視システム)用の通信施設としても利用していると思われる。

 ケーブル敷設艦が定期に佐世保港に入港する目的には、海底ケーブルの管理・保守とあわせ、音響監視システムの運用維持も含まれているのだろう。

このところ沿岸型の海軍(Brown Water Navy)から近海型の海軍(Green Sea Navy)への発展が目立つ中国海軍の動向を意識したものだろう。

かつての冷戦のころはソ連極東艦隊の南下を監視するため奄美や沖縄などの琉球弧諸島に同様のシステムが配置されていたというが、当時は一部の測量(海洋調査)艦がシステムの運用に当たっていたようだが、佐世保への測量艦の集中も関係していると思われる。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


'2006-12-26|HOME|