原子力空母ロナルド・レーガン、佐世保に入港

2月24日早朝、米海軍の原子力空母ロナルド・レーガンが米海軍佐世保基地がある佐世保港に入港し、沖合いの35番錨地付近に停泊した。
ロナルド・レーガンは就役後初の「作戦行動」として西太平洋に派遣されたもので、もちろん日本には初めての寄港となった。また、佐世保港への空母の入港は昨年11月6日のキティホークに次ぐもので、米本土を母港としている空母としては昨年5月のエイブラハム・リンカーン以来の入港となった。

レーガンは1月27日に母港のサンディエゴを急遽出港し、横須賀に配備されている空母キティホークが定期修理を受けている期間、周辺に展開するという。

以前は空母などの大型艦が入港する場合、3ヶ月以上前から補給物資の調達や準備が行われていたが、04年8月、ジョン・C・ステニスが入港した折は約7週間前、昨年のリンカーンの場合は3週間前から準備が開始され、今回もまた同様に受け入れ態勢の迅速化が整備されたことがわかる。

受け入れの準備契約は、生鮮食料品の補給だけでなく沖泊まりした空母との間のフェリーの確保から上陸した乗組員の旅行用貸し切りバスの手配まで多岐に渡っている。以前は契約の大半は佐世保基地司令官の任務であったようだが、一連の「迅速化」によりほとんどが横須賀の在日米海軍司令部で行なわれるようになったようだ。

この結果、空母の入港に際しての「特需」は貸し切りバスなど役務供給事業者の一部にしか行き渡らなくなってきた。そのためだろうか、以前は空母入港のたびに市内の繁華街に掲げてあった「空母入港歓迎」の横断幕は見かけなくなった。

一方、準備期間の「3週間」というのは空母乗組員にとっても負担が大きいようで、今回の出港に当たっては乗組員と家族の連絡用に専用のホームページを設置して精神的ケアを図っている。この時期に空母乗組員が「事件・事故」を起こすことは来年にも計画されている原子力空母の横須賀配備に影響するところから、米海軍佐世保基地司令部では厳戒態勢を強いて乗組員による事件の発生を警戒している。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)(写真は 2.24 撮影)


24日朝、狭い航路を入港してきた原子力空母ロナルド・レーガン(CVN73)


佐世保基地の35番錨地付近に停泊するロナルド・レーガン。後方は佐世保市街地


'2007-2-26|HOME|